電源物語

Vol.16: 原発後。これからのエネルギー。

残暑の厳しかった9月に比べて、随分と秋めいてきた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?

さて、9月29日の読売新聞千葉版にこのような記事が、掲載されていました。

9月29日の読売新聞千葉版

私の地元の千葉市が、東京電力千葉火力発電所に隣接する東京湾側、産廃や生活ごみの最終処分場跡地に「メガソーラー」と言われている大規模太陽光発電所の導入を検討していると言う記事です。

東京湾の対岸の川崎市では、臨海部の浮島と扇島に東京電力と共同で出力2万kwのメガソーラーを計画し、浮島では、8月から7千kwの太陽光発電所が、運転しています。

また、東京都は、石原慎太郎都知事の号令で「天然ガス発電所」プロジェクトを打ち出して、東京湾に出力100万kw(原発1基分相当)の発電所を誘致する構想です。

そこで、千葉市も時流に乗って、再生可能自然エネルギーの推進と遊休地の有効活用をアピールすることの検討を始めた訳です。

東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電の是非が、様々なメディアで、取り上げられていますが、未だに収束の見通しの立たない現状から、原子力発電は、少なくとも日本国内では、あり得ない選択だと思われます。

そのような状況で、原子力発電に換わるこれからのエネルギーについて紹介してみたいと思います。(TV番組及び書籍)

2011年5月29日、日曜日の夕方、TBSの「夢の扉」という情報番組で、筑波大学の渡邉信教授が、バイオ燃料として使えるオイルを産生する藻「オーランチオキトリウム」を発見して、実用化に向けて取り組んでいるという内容でした。

また、7月3日には、日本近海に海底に眠る、燃える闘魂ならぬ「 燃える氷=メタンハイドレート」からのメタンの採取に成功した東京大学増田昌敬准教授のプロジェクト。

2011年9月19日の月曜日、20時からのBSフジ「プライムニュース」では、『バイオマスで脱原発? 藻から石油 がれき発電』と言うテーマで、やはり藻によるバイオマス燃料として、経済からのアプローチが、取り上げられていました。

http://www.bsfuji.tv/primenews/text/txt110919.html

このプロジェクトは、ネオ・モルガン研究所、代表取締役社長 藤田朋宏氏が、立ち上げ、IHI(石川島播磨重工)と共同のプラントを開発して、商業ベースに乗せて行こう言うことで、

かなり現実味を帯びています。

特に強調されていたのが、1? いくらなら買ってくれるのか?使ってくれるのか?その価格が、実用化の時期に大きく影響する、そのためには、自然エネルギー買い取り法案の対象になり、商業ベースに乗るまで、政治による後支えが、重要になると言われていました。

また、今回は、IHIとのジョイントが出来たが、実際は、このような未知のプロジェクトに対しての投資が、日本では、全くあり得ない、欧米では、何百億という投資が、バンバン行われていて、早急に立ち上げなければ、この分野でも、出遅れて、技術的に後追いになり、欧米の後塵を拝すことになる危険性でした。

しかしながら、いずれも、近い将来、今の化石燃料や原子力エネルギーに替わる可能性を見出していました。

特に藻のバイオマス燃料は、培養することによって、無尽蔵に生成することが出来ますから、日本が、世界有数の産油国となる可能性が、大いにあります。

そこで、その辺りの技術を調べるため、書店で、捜して見たところポット出版の「日本発!世界を変えるエコ技術」を見つけました。

ポット出版「日本発!世界を変えるエコ技術」

宣伝する訳では、ありませんが、実に興味深く、面白い書籍です。

著者は、山路達也氏で、主にITや環境系の解説記事で活動中のライターの方です。

内容としては、リチウムイオン電池を超えるマグネシウム空気?電池、砂糖水を使うバイオ電池、苔を使って都市鉱山からレアメタルを回収する、鉄よりも強いクモの糸を合成する、超電導直流送電網、更には、化石燃料の消費を抑えるためのアンモニア生成、太陽光からレーザーを作り出して、金属を精錬する、エコな交通機関など、まだまだ、紹介したい技術が、満載でした。

1800円+税ですが、御一読をお勧めいたします。

また、児童向けの雑誌?でも面白い物を見つけましたので、紹介します。

秀和システム「電気をつくろう」

文字通り、電気を作って、貯めて、使ってみようと言う内容です。

判り易く電気の基礎を学べるので、結構、役に立ちます。

第1章 そもそも電気とは?

第2章 どうやって電気をつくる?

第3章 電気をつくろう!

第4章 つくった電気を使おう!

第5章 知っておくと便利なこと 

電気基礎から発電方式、バッテリの基礎知識、太陽電池、パソコンに使ってみると言った構成になっています。

秀和システムと言う出版社から1200円+税で発売されています。

誠文堂新光社「子供の科学」2011年8月別冊「今こそ知りたい ニッポンの新エネルギー」

無線と実験 MJでお馴染みの誠文堂新光社の「子供の科学」2011年8月別冊「今こそ知りたい ニッポンの新エネルギー」1000円(税込)です。

この本は、内容盛り沢山ですが、児童向けなので、漢字にルビが振ってあるので、平易で、簡潔ですから、とても読みやすいですね。

しかし、内容は、専門的に多岐に渡り、充実しています。

冒頭の「エネルギーtopics」では、先程の「藻」も取り上げられていますし、「日本と世界のエネルギー事情」「未来を拓く様々な新エネルギー」「波力・潮力を利用した新エネルギーとは?」「日本の未開発エネルギー」「電気をためる‐蓄電技術」「スマートグリッドってなんだ?」という構成です。

この本は、本当にお薦めです。

マガジンハウス 「45分でわかる どうなる?日本のエネルギー問題」

次に紹介する書籍は、マガジンハウスから発行されている 45 MINUTES SERIES #16 「45分でわかる どうなる?日本のエネルギー問題」原発は必要か?未来のエネルギー社会をみんなで考える 再生可能エネルギーと分散型ネットワークが鍵!。

著者は、小林善行氏で、茨城県立中央高校の理科の先生です。

面白いのは、スターリングエンジンの研究者のようです。

スターリングエンジンとは、シリンダーの内部に密封された気体を外部からの熱によって加熱したり放熱したりを繰り返すことによって動力を得る仕組みのエンジン(外燃機関)の事で、現存する熱機関の中で最も熱効率の高い理想的なエンジンだと評価されているそうです。(本文より抜粋)

文字通り45分 Three-Quarter で、理解するために簡潔、かつ判り易く書かれていますので、お薦めです。

専門分野のスターリングエンジンと太陽光ならぬ太陽熱の組み合わせによる発電方法は、興味深い内容です。

先週、見つけた雑誌が、週刊エコノミスト 臨時増刊10/10号

世界の潮流は「ガス黄金時代」エネルギー大転換 400年分の天然ガス シュールガス革命で原発は不要に 米国は金融覇権からエネルギー覇権 という見出しが踊っています。

毎日新聞社発行、定価1000円(税込)

週刊エコノミスト 臨時増刊10/10号「エネルギー大転換」

Part 1 大転換 米国発の「シュールガス革命」が世界のエネルギー事情を大きく変えるかも知れない。

「脱原発依存」の流れは止まらない。

国内外での「大転換」の動きを報告する。

アメリカでは、シュール(頁岩)という岩の隙間に入り込んでいるメタンを主成分とする天然ガスの事で、今までは、採取が困難でしたが、近年の技術開発によって採取が可能になり、アメリカのエネルギー事情は、一変したそうです。

アメリカエネルギー情報局(EIA)の2005年版長期エネルギー見通しでは、天然ガスの輸入依存度は、2025年は、28%の予測でしたが、2010年版では、9%。

今年4月の2011年版では、4%と更に下がり、2035年には、0.8%まで低下するとし、原子力エネルギーへの依存度も2011年版では、2009年の20%から2035年には、17%と縮原発を予測して「原子力より天然ガス」に移行しているとしています。

メキシコ湾岸に建設されたピカピカのLNG(液化天然ガス)のタンクが、輸入用から一転して輸出用として使われることになったそうです。

実際にアメリカの天然ガス輸入額は、2005年の318億ドルから2010年は、125億ドルに縮小し、EIAでは、輸出量は、2035年には、2009年の2.5倍になるだろうと予測しています。

シュールガスの生産が増えたおかげで、アメリカは、2009年、7年ぶりにロシアを抜き、世界一の天然ガス生産国に返り咲いたそうです。

興味深い内容です。

Part 2 翻って、日本では、2010年エネルギー基本計画の根本が、福島第一原発の事故により大転換を余儀なくされています。

と言っても新成長戦略実現会議と総合資源エネルギー調査会基本問題委員会と関係省庁の綱引き?により未だに議論の目途が立っていない状況ですが、Part 2では、電力ビックバンとして、電力自由化が必至で、自由化を果たしたドイツの事例を紹介しています。

Part 3として、シュールガス革命「ガス黄金時代」の最新潮流を示す3つのリポートと国幹ガスパイプラインプロジェクトの必要性と中東依存からの脱却を指摘しています。

Part 4 では、脱原発依存への道として、太陽光や風力、地熱などの再生可能エネルギーの実力の検証を取り上げています。

Part 5 新エネ・省エネ導入記として、具体例の紹介。

Part 6 ITと電気 スマートグリッドの解説。

Part 7 マネー市場の動向、原油・ガス価格の今後、と言った項目で、読み応えがあります。

展示会レポートのように駆け足で紹介してみましたが、捜せば、まだまだあるのでしょうが、秋葉原の書店巡りでも、この位の情報は、得られますので、皆さんもアンテナを張って、様々な情報の中から選択して、自分流のエネルギー政策を考えてみて下さい。

しかし、エネルギー政策の中に何故、100Vを200V、230Vにするアイデアが無いのでしょうか?

いつもながらの最大の疑問です。

節電!節電!と大騒ぎするよりも有効なエネルギー対策だと思っているのは、私だけなのでしょうか?

少し不安になってしまいますので、幕張メッセで開催されるアジア最大級のIT・最先端エレクトロニクス展示会「CEATEC JAPAN 2011」に足を運んで、情報を仕入れてきたいと思います。

後日、レポートとしてUPしますので、御期待下さい。

http://www.ceatec.com/2011/ja/index.html

2011年10月4日

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