電源物語

Vol.13: スマートグリッド展2011

東日本大震災から5カ月が経とうとしていますが、原子力発電所の再稼働の問題も含めて、日本のエネルギー政策をどうするのかという議論が、毎日のようにTV、Webなどで、活発に行われています。

そんな中、6月15日から東京ビックサイトで開催された「スマートグリッド展2011」に足を運んできましたので、レポートしたいと思います。

スマートグリッド展2011

ご覧のように主催は、日刊工業新聞社で、後援に政府の各省庁が、連なっていますね。

会場に入ると各出展社も多かれ少なかれ、スマートグリッドのイメージ模型を展示しています。まぁ、どうしてもスマートグリッド成るものを表すには、必要不可欠なんでしょうね。出展社を見渡して気がついた事は、日本を代表する大手メーカーは、軒並み出展しています。本来なら、堂々と展示スペースを確保するはずの電力会社の姿が全くありません。

原子力発電所の問題を抱えて次世代送電網どころでは無いと言ったところでしょうけど、今現在の送電網を有しているのは、全国の10電力会社ですから、出展してもらいたかった、そして、考え方を提案して欲しかったと思いました。

その代わりと言ってはなんですが、ガス会社が、ここぞとばかり?頑張っていました。

家庭用燃料電池「エネファーム」

ちょっと、ミスりまして燃料電池のユニットの画像を消してしまい、給湯貯水ユニットのみになってしまいました。(エネファームの下にあります。)

燃料電池は、水素を化学反応させて水と電気に分解する装置ですが、その際に熱を発生させますので、その熱でお湯を沸かして給湯に使おうと言うシステムです。その水素を都市ガスから供給して、ガス会社の優位性を強調していました。ガス会社は、日本ガス協会、東京ガス、大阪ガス、東邦ガスが、共同で出展し、来場者で賑わっていました。ガス会社は、電力会社のオール電化の攻勢で、苦戦が続いていましたので、これを機会に反転攻勢に出ていることが、発電のベストミックスならぬ、エネルギーのベストミックスを強調していました。最近では、TVCMでも目にする機会が増えてきました。(すいません、東京圏だけの感覚です。)

東京ガス「スマートハウス」

千住SEN(スマートエネルギーネットワーク)

東京ガスでは、荒川区の南千住に千住SEN(スマートエネルギーネットワーク)という実証事業をスタートさせています。ここは、白髭橋西、明治通り沿いにある大きなガスタンクのある所です。太陽光発電設備、ガスコージェネレーション(燃料電池)、太陽熱集積装置を配備して、電気、温水、冷水を集中管理してこのエリアに供給する実験を行い、今後の導入に際しての技術を確立することを目的としています。

また、東日本大震災を踏まえて、エネルギーの安定確保を強調し、分散型エネルギーの採用で、エネルギー源の多様化により停電時でも供給が滞ることがないようにエネルギーセキュリティの向上に力を入れていると力説していました。福島第一原発では、全電源喪失を想定していなかったことが大問題となっていますから、自然災害や事故の際に素早くエネルギーの供給が切り換えられることが重要になってくるでしょう。

スマートメーター

スマートメーター

さて、スマートグリッドの装置側の核となるのが、これです。

 

スマートメーターです。

従来の電力計の役割とエネルギーの情報のやり取りを行います。幸い、日本は、インターネットの光回線のインフラは、出来上がっていますので、情報の部門での構築は、そんなに難しいことでは無いと思われます。SバンクのS社長が再生可能エネルギー、特にメガソーラー(大規模太陽光発電)に乗り出しましたが、この辺りの情報インフラビジネスの利権と言うかビジネスチャンスを感じ取ったような気がします。(個人的な見解です。)

この展示会には、普段は、お目にかかれないような出展社?も出ています。その一つが、財団法人「電力中央研究所」です。

http://criepi.denken.or.jp/

1951年に設立されて、電力の国家管理では無く、民間による電力の安定供給のための技術支援の研究開発に取り組んでいる公益法人です。国道6号線(水戸街道)の我孫子付近にあるのは知っていましたが、具体的な内容までは、しりませんでしたので、資料等を得る良い機会でした。

と言っても研究機関ですから、その資料の内容は、多岐に渡りますし、産業用ですから私レベルでは、非常に難解です。

しかしながら、2009年度の研究年報には、今問題となっている原子力技術の問題や高レベル放射性廃棄物と低レベル放射性廃棄物の処分方法の研究などが記載されています。

また、2010年の研究成果発表会の予稿集には、電力流通部門に「太陽光発電の大量導入に対する次世代グリッド技術」。社会経済部門に「低炭素社会におけるエネルギー・環境政策と電気事業経営」といった今、求められているテーマが、すでに取り上げられています。見学会のようなものがあるようなので、是非参加してみたいと思います。

2010年の研究成果発表会の予稿集

2010年の研究成果発表会の予稿集

2010年の研究成果発表会の予稿集

A4の紙一枚でシワクチャになってので、クリアファイルに入れて撮影。

また、産業界だけでは無く大学の参加、単独や共同の出展もありました。 そんな中で、目を引いたのが、信州大学です。信州長野は、恵まれた自然環境がありますので、再生化のエネルギーの活用には打って付けの地域です。

その中でも興味深い技術が、ナノ水車発電による独立型スマートグリッドシステムです。

ナノ水車発電による独立型スマートグリッドシステム

こちらもシワクチャになってしまいましたが、ご覧頂けると思います。

どうですか?夢のある技術ですよね。

このようにスマートグリッドを中心にしたインフラの構築の技術的な部分は、出来上がっていると言って過言ではありません。ここから先は、政治、国の政策の出番ですが、現状は、御存じのように何をやりたいのかさっぱり見えてこない状況です。このような状態でも電力、エネルギー供給の不安は、日々、進行しています。一人ひとりが他人事では無く、真剣に考えて行かなくてはならないし、日本の産業界の技術の可能性を実感した展示会でした。

皆さんも時間があれば、是非とも足を運んでみて下さい。

ゆりかもめに乗って、GO !!

次回も展示会ネタで、TECHNO-FRONTIER2011、電源システム展です。

2011年8月5日

電源物語

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