電源物語

Vol.12: UPS(交流無停電電源装置)の薦め

色々とやることがあって、更新が滞ってしまいました。

早速、今回のテーマです。

ずばり、UPS(交流無停電電源装置)の薦めです。

UPSとは、Uninterruptible Power Supply の略で、主に交流電源が、落ちた際にバッテリーからの給電に切り替えて、電力を供給する装置の事を言います。

また、設備などでは、CVCFと言うこともありますが、「Constant Voltage Constant Frequency」定電圧定周波数電源のことで、大きな建物などで規模の大きい設備の場合、CVCF室として運用することが多いと思われます。

今回、何故、UPSをテーマとして取り上げたか?というのは、7月1日から原子力発電所の運転中止による電力不足の影響から「電気事業法27条による電気の使用制限の発動」が、経済産業省から発令されたことによります。

3月下旬から4月にかけて、東京電力管内において、計画停電が実施されたことは、記憶に新しいことと思います。東電管内を数グループに分けて、電力が不足する日に数時間に渡り、送電を中止して、停電となりました。  

JR稲毛駅前の消えた信号機

JR稲毛駅前の消えた信号機

この時は、どの地域(グループ)が何時から停電が実施されるのか、東電のホームページを参考にしろと言うことでしたが、実際は、停電になってみないと判らない、同じ町内(グループ)でも、こちらは、停電、あちらは、点いている、とかなり混乱していたように思います。

http://www.tepco.co.jp/keikakuteiden/index-j.html

今回の使用制限は、東電の供給電力の97%を超えそうになると前日に警告し、超えると停電が実施されると言う仕組みのようですが、6月でも気温の高かった日には、供給電力の93%まで、達することがありましたので、これからの季節、猛暑の日など、実に綱渡りの状況が続くと言っても過言ではありません。

NHK(7月4日朝)

NHK(7月4日朝)

フジテレビ(7月3日夜)

フジテレビ(7月3日夜)

http://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html#graph1

東京電力のホームページにも電気予報として電力の供給量と使用量グラフが、掲載されていますので、一度、ご覧になってみて下さい。

全く、別の話ですが、停電絡みで、東電(電力会社)の雷情報は、かなりキメ細かいので、落雷の危険性のある場合は、使えますので、参考までに。

http://thunder.tepco.co.jp/

送電線や変電所など落雷被害からの復旧のためにしっかりしたデータベースです。

さて、話を戻しますと、音楽制作に携わる方々は、今やPCに頼る部分が非常に大きな比重を占めていることともいます。

そのPCですが、やはり、電力の供給を受けて成り立つものですから、突然電力の供給が途絶える停電と言う事態は、それまでに積み上げてきた作業、成果を一瞬にして無としてしまう恐るべき状況です。常に作業のバックアップを行っていれば良いのですが、実際、作業が、佳境に入ってくると、ついついバックアップが疎かになる危険性が、高まります。

その時、役に立つのが、UPSです。

簡単に言うと停電、電力の供給が落ちた時、内蔵しているバッテリーから給電して、その間にデータをセーブする作業を手助けする物です。電気が落ちる、切れるとアラームが鳴り、バッテリー給電に切り替わります。その間(機種によって保持時間が、異なります)にデータをバックアップする訳です。

つまり、常に保険を掛けていると言うことです。

と言っても保険と同様、UPSも各社から何機種も発売されています。

では、どういうUPSが、有効かと言うことを説明して行きましょう。

弊社取扱の?ジーエス・ユアサ パワーエレクトロニクスの製品を例にします。取扱メーカー(合併したGSバッテリーの日本電池とユアサ電池のUPS専門子会社)

http://www.gype.jp/ups/

まず、方式ですが、大きく分けると3つあります。

1、常時商用給電方式

通常時は、ACをそのまま出力しています。(低価格、小型、軽量タイプ)

停電時にバッテリーからの給電に切り替えますが、その際に10msec以下の瞬断が、発生します。

常時商用給電方式

常時商用給電方式

2、ラインインタラクティブ方式

通常時は、自動電圧調整用トランスを通して出力します。電圧低下、過電圧時も調整して、ほぼAC100Vの出力が可能になります。

但し、停電時には、10msec以下の瞬断が、起きます。

ラインインタラクティブ方式

ラインインタラクティブ方式

3、 常時インバータ給電方式

商用電源が正常時も常にインバータを通して給電しています。(高性能・高機能タイプ)そのため電圧降下や過電圧、瞬時停電(10msec以下)の際も安定した電力を供給します。

停電時の切替時間は、無瞬断です。

常時インバータ給電方式

常時インバータ給電方式

詳しい図説は、下記を参考にして下さい。

http://www.gype.jp/ups/gypepinf05.aspx

この3タイプの価格は、機能、性能が高い?常時インバータ給電方式が、一番高価になりますが、出力容量やバックアップの保持時間によっても変わりますので、使用する機材の消費電力等を考慮して選定して下さい。

音楽制作に適しているタイプは、切替時に瞬断の無い常時インバータ給電方式の製品をお薦めいたします。

何故なら、音楽制作は、やり直し、再現の出来ない感性の作業ですから、出来るだけ、トラブルの元になりそうな要因は、避けるべきだからです。

万が一、瞬断の時にPCが、停まってしまっては、元も子も有りませんので、安心という保険をかけることが、重要です。

GS-YUASAのUPSは、据置型やEIAラックマウント型(立横対応型)。

容量も350VAから3KVA、更にオプションの外部増設バッテリーを使うと6KVAと言う長時間タイプなど数多くの製品を有していますので、最適な機種が選べます。

ここで、弊社に良くお問い合わせいただく質問で、電気容量、VAとWの違いについて説明してみたいと思います。

VAは、ボルトアンペア、皮相電力と言って電圧と電力の積のことです。

しかし、実際の電力は、有効電力と言って皮相電力に力率を掛けたものをことです。例えば、白熱電球や電気ストーブなど、入ってきた電力が、そのまま使われるものは、力率は、「1」ですが、PCやオーディオ機器など、一般的に一度、電源回路のコンデンサーに蓄えられてから出力されるものは、力率は、「0.6~0.7」となります。

その場合、電気ストーブは、1000VA=1000Wですが、1000VA≒600W~700Wとなります。

UPSやオーディオ用の波形を制御するタイプのアクセサリーは、目安として大体 70%位が、使える容量です。

また、バッテリーの寿命についてのお問い合わせも多いので、お答えします。

通常は、最新のUPSは、長時間タイプのバッテリーが搭載されています。長時間とは、3~4年程度で、初期のバッテリー容量の半分程度に減衰した状態を交換時期としていますが、あくまでも目安で、頻繁にバッテリー給電に切り替わるような電源環境では、充放電が、繰り返されることになりますので、寿命は、かなり短くなりますので、注意が必要です。

付属のソフトウェアによって、運転状態の監視もできますので、GS-YUASAのホームページを参考にして下さい。

特に「よくある質問」のページは、

http://www.gype.jp/ups/gypeufaq00.aspx

です。

最後に信濃電気もUPSを発売していましたが、据置型の為、音楽制作の業界では、余りニーズは、ありませんでした、やはりラックマウントでないと話になりませんでしたので、独立した際に信濃在籍時から面識のあった営業担当にお願いして取扱させていただきました。

信濃電気のUPSカタログ

ひじょうに判り易いカタログです。大きなビルに雷が落ちている表紙です。裏面には、外形図が、掲載されていました。今は亡き貴重なカタログでした。

では、次回をお楽しみに。

2011年7月4日

GS YUASA製のUPS製品は弊社セカンドスタッフで全ラインナップを販売しております。価格や詳細はお問合せください。

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