電源物語

Vol.4 : 電気を作る、送る、受ける

今回は、電気を作る、送る、受けるという流れの話です。

電気は、発電所で作られます。

日本の場合、大体、水力発電所 10%、火力発電所 54%、原子力発電所34%で、発電を受け持っています。

水力発電は、水の位置エネルギーを利用して、発電します。

高い所から低い所へ落下させて、その水流で、水車(タービン)を廻して発電します。水力発電は、日本の地形に適した発電方式で、エネルギーは、火力や原子力と異なり、輸入に頼らず100%自給しています。国土に山間部が多く、急峻な流れの川が多いため、適していると言えます。

北陸電力 神通川第一発電所

北陸電力 神通川第一発電所

 

水力発電は、発電時にCO2などを発生させないクリーンな発電方式ですが、ダム建設による環境問題、生態系への影響が大きいため、今後は、これ以上の発電比率を高めることは、難しいでしょう。

次の火力発電は、文字通り、石炭、石油、LNG(液化天然ガス)といった燃料によって、ボイラーで、燃やした水蒸気エネルギーで、タービンを回して発電する方法です。長年、石油が、燃料として最も使用されてきましたが、石油ショック以降、石油からLNG、石炭エネルギーに移行しています。 石油62%⇒9%、石炭 4%⇒22%、LNG 5%⇒27%に増えています。

LNGは、石油や石炭に比較して硫黄分を含まないクリーンな発電方式として注目されていますし、石炭は、世界各地から調達可能で低価格なため比率が高まりました。

東京電力 大井火力発電所

東京電力 大井火力発電所

火力発電は、建設が、他の発電方式に比較して、建設が容易なため、大都市近郊に建設することが可能で、送電ロスを抑えられることがメリットですが、燃料を燃やすため、有害物質の排出が、デメリットです。また、化石燃料の枯渇の恐れが常に付きまといます。

最後に原子力発電です。

原理的には、火力発電と同様に熱エネルギーで、水蒸気によってタービンを回して発電していますが、熱エネルギーの作り方が、大きく異なります。

詳しくは、物理学の本を読んでいただくとして、ウラン235という物質を核分裂させて、強大なエネルギーを得ています。1gのウラン235の核分裂の連鎖反応は、石油なら2,000L、石炭3tに相当するそうです。

大規模発電が可能で、発電時には、有害ガスやCO2を発生させないということで、環境にやさしいと言われています。

しかし、しかしです。

放射能という大変な問題を抱えています。

東京電力 大井火力発電所

東京電力 大井火力発電所

 

発電方式だけを見れば、強大なエネルギーを生み出し、クリーンな原子力発電ですが、原子炉内で、人体に有害な放射能が発生するため、絶対に外部に漏れないようにしなければならない対策が必要になります。また、使用済みの核燃料からも放射能は出ているため、その処理方法も問題となります。

そうは言っても化石燃料や環境問題などを考えると三つの発電方式を組み合わせて、どのようにエネルギーを供給していくかを考えて行かなくてはいけません。

その他、成長分野として自然エネルギーを使った発電方式があります。

メディアなどで盛んに耳にする太陽光発電や太陽熱発電、風力発電、波力発電、地熱発電といったクリーンな自然エネルギーが、注目されてきていますが、まだ、安定供給、低価格と言った実用的なレベルまでは到達していません。

また、将来的には、自動車メーカーの記事で良く取り上げられる燃料電池をオフィス、家庭用に使うということも開発が進んでいます。

水の電気分解の反作用を利用したもので、水酸化ナトリウムの溶液にプラスとマイナスの電極を差し込んで、電気を流すとプラスに酸素、マイナスに水素が発生します。

反対にマイナスに水素、プラスに酸素を供給すると水が出来ます。

その時に電気エネルギーと熱エネルギーが発生しますので、これを応用したものが、燃料電池と言われているもので、これらの自然エネルギーを融合させたシステムを発展させてスマートグリッドを構築していこうと各国が今後のエネルギーとのイニシアチブを握ろうと躍起になっています。

スマートグリッドは、改めて、お話したいと思います。

ちょっと、話が脱線しましたので、送電の話に移ります。

発電所で造られた電気は、27万5千V~50万Vという高電圧で送られてきます。電気は、電線を流れて行くうちに電線の抵抗によって、熱などのエネルギーに変わって失われてしまうことがあるので、高い電圧で送電ロスを抑えています。  

送電線と送電塔

送電線と送電塔

しかし、超高電圧のままでは、一般家庭では使うことはできません。

そのため、発電所から需要家(使用する人)までの間に何ヵ所かの変電所を設けて、だんだんに電圧を下げて電気を供給しています。  

変電所

変電所

基本的には、発電所 ⇒ 超高圧変電所 ⇒ 一次変電所 ⇒ 中間変電所 ⇒ 配電用変電所と送電されて、最終的には6600Vまで下げられます。

そこからオフィスや家庭まで送られることになりますが、配電線と呼ばれ、電信柱の上にある柱上トランス(変圧器)までは、6600Vで、流れています。 この柱上トランスによって、200V、100V下げられて家庭に給電されています。  

神田佐久間河岸付近より撮影 柱上トランス

神田佐久間河岸付近より撮影 柱上トランス

また、ある程度の規模以上の建物になると高圧受電設備という敷地内で、6600Vを200V、100Vに下げて、給電することもあります。

キュービクル式高圧受電設備

キュービクル式高圧受電設備

この送電、配電は、三相交流で、送られています。三相交流は、交流電流を120°ずらして等間隔で発生させて、3本の電線で送ります。

一度に単相交流の3倍の電気を送ることが出来ますので、動力系に多く使われています。

先程の送電線の写真を見てみると3本の電線が組み合わされていることが確認できます。

電気は、発電所から三相交流で送られてきて、最終的に電柱から単相交流になって給電されます。

三相交流 

柱上トランスは、大体3~5軒程度で一つのグループを形成していますから、このグループ内で何らかの干渉が、起こっても不思議ではありません。

オーディオマニアの間で自宅オーディオ用にMy電信柱を立てると良いと言う話が広まり、実際に建てた方もいたようですが、柱上トランスのある電信柱は、必ず接地されています。

これは、A種接地と言って、接地抵抗10Ω以下と言う非常に優秀な接地(アース)です。

一般的な接地(アース)工事では、まず実現不可能な数値ですから、敷地の広さや数々の条件が整っていなければ、My電信柱の設営は、かなり難しいのが現実です。  

電信柱の接地(アース)

電信柱の接地(アース)

需要家、屋内に引き込まれて、単相交流の100V、200Vとして給電されます。

続きは、改めて屋内配線とアースについてというテーマで、お話したいと思います。

資料として新星出版社「カラー版徹底図解 電気のしくみ」を参考にしました。

カラー版徹底図解 電気のしくみ

カラー版徹底図解 電気のしくみ

2010年12月24日

電源物語

製品種類別

468