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マイケル・グレース氏による m201 A/D Optionカードの技術解説

   


GRACE design m201 A/D
A/D Converter card option for the m201 preamplifier

m201 ADコンバーターカード・オプションとm201のコンビネーションは最高水準のオーディオピュアリティーを実現いたします。
トランスペアレントでミュージカルな私たちのマイクプリアンプ設計とのベストコンビネーションを目指しました。
私たちGRACE designのADコンバーターの完成度の高い設計は大変ユニークで独創性に富んでいます。
<アナログインプットステージ><ADコンバーター><クロックジェネレート>の3つの重要なポイントについて説明していきたいと思います。


アナログインプット・ステージ

m201 ADコンバーターカードのアナログ入力サーキットは限りなくシンプルにピュアに仕上げられています。電解コンデンサは一切排除され、全てのシグナルパスには0.5%の精巧な薄膜抵抗が使用されています。信号は全く色付けなく限りなくピュアに保たれます。

またパワーサプライのレイアウトとグラウンディンングには特に注意が払われておりデジタルサーキットからのあらゆる不要な要素を取り除きます。アナログ入力アンプはそれ自体のボルテージレギュレーターと各アナログパワーサプライのレイルによりダブルレギュレートされた状態になっていますのでパワーラインのノイズ要素から完璧に切り離される設計となっています。近代のデルタ/シグマコンバーターの入力ドライブにはADインプットドライバーからのより低いインピーダンスと高い電流が要求されます。私たちがデザインしてきたマイクロホンプリアンプにおける精巧なラインドライバーの開発技術はまたここにも活用されたのです。

さらに非常に多大な利点としてADコンバーターの回路がm201の内部でマイクロホンプリアンプの回路とダイレクトにつながっている点があります。これはプリアンプとADコンバ
ーターのシャーシが別々に存在しているのとは大きな違いがあるのです。
まずプリアンプとADコンバーターが同一の電気的なエンクロージャーに収まっている場合、外部ソースからの電磁気妨害や電波、またはグラウンドループによるハム等による
影響を非常に受けにくくなります。さらに静電気に対するESDプロテクション回路やRFIフィルタリングなどの複雑な入力レベルの調整回路を設定する必要がなく、限りなくシンプルかつピュアなシグナルパスを構築することができるのです。シグナルに対する色付けは限りなくゼロに近く圧倒的な原音再生能力を実現できるのです。



ADコンバーター

ADコンバーターには最もワイドレンジで低レイテンシーなデルタ/シグマ・モジュレーターと5次のローパスフィルターが採用されています。これはデジタルフィルターに穏やかなスロープをもち、ハイエンドなコンバーターICの中で最も音楽的だといえます。120dBものダイナミックレンジと-110dB以下の歪率を達成しているのです。またアナログとデジタルそれぞれのパワーサプライは完全に切り離された設計になっているのでデルタ/シグマモジュレーターは回路的な影響を受けずに精巧なADコンバーションを行うことができるのです。更にディファレンシャルインプットにより入力段階においてもノイズリジェクションが実行され、可能な限りピュアなADコンバートを行っているいのです。



クロック

完璧に設計されたアナログ入力ステージとベストなパフォーマンスのADコンバーターICと同じくらいオーディオパフォーマンスに影響するのがサンプリングクロックです。いかに極少のクロックジッターでもそのオーディオパフォーマンスは簡単に失われてしまうでしょう。

インターナルクロックをオペレートする場合、ADコンバーターのサンプルクロックは低ジッターのクォーツオシレーターによってジェネレートされます。しかしながら多くのアプリケーションにおいてADコンバーターはワードクロックなどの外部のクロックにシンクロナイズされていることでしょう。ここに大変大きなチャレンジが生じるのです。

まずワードクロック入力をデジタルオーディオ機器に使用することでより良いパフォーマンスが得られるという勘違いが一般的にある事を述べなくてはなりません。実際には大
多数のワードクロックPLL回路は、ワードクロックのシグナル自体、AESやSPDIFのレシーバーチップ内のPLLよりも固有のジッターを含んでしまっているのです。通常これらのPLLはオーディオ帯域におけるジッターアテネーションをも行ってもいません。

私達GRACE designのADコンバーターは2ステージのPLLシステムを持ち非常に高いジッターアテネーションと、ジッターから解放されたリカバークロックを作り出しています。最初のステージは広大なロックレンジを持つウルトラローノイズなアナログPLLです。これは入力されるワードクロック(またはデジデザインのループシンク信号)に対して+/-8%のロックレンジでロックすることができます。通常使用されるCMOSベースのPLLチップを最初のステージに採用せず、私達はより静かなディスクリートVCO(Voltage Controlled Oscillator)を使用しています。外部のクロックソースを使った場合、このPLLは単体でクリスタルクロックにも匹敵する精度を実現するのです!ワイドなロックレンジはVari-Speedアプリケーションに対して決してオーディオ的なパフォーマンスを失うことがないでしょう。

そしてセレクトされたサンプルレートに対して+/-200ppmのサンプルレートが入力されると、2つめのクリスタルベースのPLL(これは我々GRACE design社独自の開発により s-Lock と呼ばれる技術です)が最初のPLLステージに対してロックします。このs-Lockによりサンプルレートは完璧にリカバーされ可能な限り静かなサンプルクロックとしてADコンバーターに供給されるのです。s-Lock PLLはジッターを極限まで押さえ込みます。

ワードクロック出力は1つまたは2つのPLLから入力されるワードクロック、またはリカバーされたワードクロックを出力することが可能です。もし入力されるワードクロックが信頼のおけない品質であったとしても、m201ADカードから出力されるクロックは限りなくジッターから解放されたクロックに生まれ変わります。入力されたクロックはバッファーされてワードクロック出力されます。

m201 ADコンバーターではオーディオデーターのルーティングをASRC(非同期のサンプルレートコンバーター)とすることで簡単にジッターから解放されたサンプルクロックを作り出すことに成功しています。この回路設計によってシグナルプロセスによるいかなる微妙な劣化も取り除くことができるでしょう。s-Lock PLLによるレンダリングはインターフェースによるジッターの問題を改善し、ADコンバーターのノイズフロアーのレベルを改良します。

どんなアプリケーションにおいてもm201プリアンプとADコンバーターの組合せは従来にない程ピュアで素晴らしい音質を保証します。
パワフルでエレガント、そしてパーフェクトなパッケージを提案いたします。