m101 リボンマイクモード検証
M101のリボンマイクモードはワンアクションで 3つのファンクションを実行します。
このリボンマイクモードはリボンマイクだけでなく、ダイナミックマイクにも効果的です。
1、DCカット用のカップリングコンデンサのバイパス
リボンマイク(ダイナミックマイク)ではファンタム電源が不要なため、ファンタム電源のDC(直流)成分をブロックする必要がありません。このコンデンサをバイパスする事で DCまでフラットな周波数特性を獲得。よりピュアなシグナルパス、高音質サウンドに貢献します。
2、P48Vファンタム電源のロックアウト
コンデンサをバイパスし、ファンタム電源がかからないように切り離します。リボンマイクロホンに誤ってファンタム電源をかけてしまうようなアクシデントを防ぎ大事なマイクロホンを保護します。
3、入力インピーダンスの切替
出力レベルの低いリボンマイクの信号をロス無く受け、高域特性やS/N特性の向上を図ります。
どの項目もリボンマイクに対して有効な手段と言えます。これらの事によりどれだけの違いが現れているのか検証していきたいと思います。
model101(旧モデル) vs m101 NORMAL MODE vs m101 RIBBON MODEで周波数特性を計測しました。

グラフは赤線が model 101、マジェンダ線がm101 Normal Mode、青線が m101 Ribbon Mode となっています。
まず、低域のロールオフの仕方に違いが見られます。このグラフでは大きく違いが見られますがグラフの上限/下限は+2dB/-2dBに拡大しています。どれも10Hzでも-1dB以内に収まっていて驚異的に特性が良く、きれいに低域まで伸びている事が分かります。中でもRibbon Modeでは10Hzで0.1dB以内となっています。と、ここで直流までフラットに伸びているのではないのかと疑問に思った方もいるかと思いますが、これは出力段のDCサーボ機能(*)による影響と判断できます。いずれにしてもこれだけの特性を確保できているので出力段の設計も優秀だと言えるでしょう。
(*)主に温度ドリフトなどによるDC成分の矯正の為の回路
入力インピーダンスの違いによる影響が考えられる高域はと言うとmodel101の方がロールオフが少なくなっています、これはm101ではRF帯、EMIのノイズ対策を強化した影響と思われます。ですが、-3dBの帯域幅で390kHzまで伸びていますから必要十分なスペックと言えるでしょう。m101のどちらのモードでも差は殆んど読み取れません、若干Ribbon Modeの方がロールオフは少ないように見えます。
今回のテストでは、周波数特性の違いを見たかったため各モード1KHzでのレベルが同じになるように微調整を行いましたので入力インピーダンスの違いによる感度の違いがグラフから読み取る事ができませんが600Ω出力のソースだと0.35dB Ribbon Modeの方が大きくなっていました。S/Nに関してもその分有利に働きます。
音への影響は、
「リボンモードをオンすると音の輪郭が明確になり、フォーカスがピタッと合ったような感じです。」
→ 入力インピーダンスを高くし、リボンマイクに合わせることで音の輪郭やフォーカスと言った部分では強まる傾向があります。また、入力のコンデンサをバイパスした事でシグナルパスがより簡潔になった事の影響も考えられます。
「グッと音が締まり、力強さが増す。」
→ 入力のコンデンサによるDC〜低域への帯域制限が無くなり位相特性も安定、よりストレートな立ち上がりの早いローエンドとなる傾向があります。
などの意見が出ており、電気的な考察と一致する傾向にあり、差はそのスペックの差以上にも感じられました。
【セカンドスタッフ技術部】