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Technical Discussion of GRACE desifn high-fidelity audio products
設計者マイケルグレースによるGRACE designオーディオデザインの解説

私達、GRACE designはすでに15年以上にわたりレコーディングをはじめとするプロフェッショナルマーケットにおいて大きな評価を得ています。GRACE designのテクノロジーは厳しいリスニングテスト、フィールドでのテスティング、そして執拗なまでの補正、調整を繰り返し設計されています。このテクニカルノートは私達GRACE designの製品がいかにユニークなアプローチで、優れたエレクトロニックデザインを実現しているのか、そしてGRACE designの製品設計がどのようなコンセプトによって論理的に構成されているのかを説明しています。私達は機器デザイナーの意思とソニックパフォーマンスのためのテストなど、経験に基づく信念を通してハイエンドなプロオーディオ製品の内在する価値をユーザーに理解していただけると信じています。

Preamplifier design - Our Amplifier topology
アンプ設計におけるトポロジー

GRACE designのプリアンプ回路はトランスフォーマーレスバランスのデザインを採用しています。インプットアンプセクションは完全に統制されたモノリシックICであり、ローノイズを達成 しています。電圧増幅セクションではカレントフィードバック(またはトランスインピーダンス)アンプで構成され、従来の一般的なOPアンプなどのボルテージフィードバックタイプとは比較にならない素晴らしい音質を実現します。

OPアンプタイプのプリアンプは大半の場合はボルテージフィードバックタイプでデザインされており、それは通常、位相補償のためのコンデンサを持っており、インプット・ステージにおけるハイインピーダンスな電流によって充放電される必要があります。この構造ですと小さなシグナルはそれほど大きな問題を引き起こすことはありませんが、大きなシグナルにおいては位相補償コンデンサを確実にチャージするための電流を多く必要とするのでそちら側に電流をとられシグナルを作り出す電流は制限を受けることになり非常に良くないスルーレートリミッティングの原因となります。

カレントフィードバックアンプはそれとは全く対照的といえます。カレントフィードバックではフィードバックシグナルは抵抗を介してローインピーダンスなインプットトランジスターのエミッタに送られます。この場合、電流は常に多めに一切の制限を受けることもありませんし、スルーレートリミッティングを起こすこともありません。このようにカレントフィードバック・アンプは優れた周波数特性、ワイドなゲインレンジを獲得できるのです。結果、よりオープンで音楽的なサウンドク オリティーが得られ、ダイナミックな音楽のパッセージにおける複雑なウェーブフォームの全てを表現する能力を得られるのです。

Integrated Vs. Discrete
インテグレートとディスクリート

GRACE designの電圧利得段は2つのインプットアンプと差動アンプを高密度に集積されたICを採用しています。この高密度集積化は従来のディスクリートアンプに比較して多大な利点を持っているのです。シグナルパスは最短にルーティングされ、その上サーキットボードのパターンの寄生インピーダンスの影響も極小に抑えられます。また、集積化によりインプットトランジスターは更に高品位な熱トラッキング(Thermal Tracking)を可能にし、熱によるドリフトなどの影響も少なく抑えることも実現しています。

Active Balanced Outputs
アクティブバランスのアウトプット

GRACE designなバランスアウトプットアンプのトポロジーはトランスを使用した一般的なデザインのマイクプリアンプに比べると、劇的な音質的利点を持っています。事実、OCMRR(Output Common Mode Rejection Ratio)においては通常40dB位に対して、60dBを獲得しています。

また、ローインピーダンスのラインでは整合された600Ωのラインを作り出すことも可能で、アウトプットケーブルの末端を300Ωの抵抗でターミネートすることによって、ロードレジスタンスが アウトプットのソースレジスタンスにマッチングさせることができ、600Ωのバランス伝送ラインを作り出します。インピーダンスをマッチングさせることでケーブルワイヤーのシグナル反射を防ぐことは、トランジェントパフォーマンスを飛躍的に向上させ、忠実で高潔なハーモニクスを表現します。このタイプのターミネーションはバーチャル的にケーブルのキャパシタンスとインダクタンスをエリミネートし最大のパワートランスファーが実現できるので、大変長いケーブルをドライブする場合に特に有効です。

また、アウトプットデバイスはCLASS ABモードで、これは過度のパワーエネルギーの損失を防ぎ、長期間にわたる信頼性の面でも問題を解決しました。

Controls
コントロール

それぞれのゲインコントロールには精巧で安定したロータリースイッチに個々1%のメタルフィルムレジスターを実装したものが採用されています。従来の多くの機器に採用されているコンダクティブプラスティックのポテンシオメターは +/-1000ppm/℃の温度コフィシエントを持っています。音楽のシグナルが可変式のポテンシオメターに達すると、ポテンシオメターの温度による抵抗値が変動し利得の設定がずれてきます、高いアンプゲインにおいて相当量の劣化が起きることとなります。温度の変化が抵抗値の変化、抵抗値の変化がアンプのゲインの変化、つまり温度の変化がアンプのゲインの変化となり、結果ダイナミックディストーションが起きてシグナルに大きな悪影響を与えてしまいます。GRACE designはロータリースイッチと温度コフィシエントが +/-50ppm/℃と温度的な安定度が圧倒的に高く、精確な金属皮膜固定抵抗器によるステップ方式を採用することで、ポテンシオメター可変方式で起こる不安定要素を取り除くことができ、回路的にも高安定で音のクオリティーも素晴らしいゲインコントロールを可能にします。

シグナルパスは可能な限り短くおさえられており、フェイズリバースとインプットアテネーター機能にはリレーを使用しています。密封されたゴールドコンタクトは完全な信頼性を確保して おり、シグナルの劣化を無くします。このコンタクトは500万回ものオペレーションに対する耐久性があります)

Power Supply
パワーサプライ

どんなオーディオデバイスにとってもパワーサプライはとても重要です。GRACE designでは堅固なリニアーパワーサプライを採用していますオーディオサーキットボードはローインダクタンスなCopper Ground Planeとし、非常に安定したシグナルとパワーサプライのリファレンスを達成することができるのです。各オーディオグラウンドはウルトラローインピーダンスなシャーシのコネクション経由でパワーインプットのノードに戻されます。

Passive Components
パッシブコンポーネンツ

パッシブコンポーネンツの選択はプリアンプデザインの中でも非常に慎重にならなければならい重要なポイントです。抵抗器、コンデンサ、インダクター、ワイヤー、スイッチ、の品質、そ して使用する半田に至るまで、全ては音質や品質に大きな影響を与えます。私達のデザインでは全てのパッシブコンポーネントは完全な信頼感と最適なソニックパフォーマンスのために慎重にセレクトされています。

コンデンサはピュアなシグナルに対しておそらく一番大きな影響を与えると考えられます。

電解コンデンサは、小型でも大容量の物が用意にそして安価に作れます。そのためリプルの吸収、平滑回路には大変効果的ですが、温度に対しての安定度が極端に低く、また構造的に誘導性リアクタンス成分も多く含みますのでシグナルパスへの使用には不向きです。以上の理由から私達GRACE designの設計においては、電解コンデンサはシグナルパスには一切使用しておりません。

また、シグナルパスのほとんどの部分では全てDCサーボによるダイレクトカプリング構成となっていますが、マイクプリアンプにおいて唯一シグナルパスに避けることのできない部分があります、ファントムパワーのカップリングコンデンサです。GRACE designではメタライズフィルムコンデンサを採用し最大限にリニアなクセのない極めて自然なソニックパフォーマンスを実現しています。

フィルムキャパシターは電解コンデンサに比較して誘導性リアクタンスの影響が小さく、結果トランジエント・パフォーマンスがたいへん向上し、精確極まりないアコースティックの再現性と音声波数のリアリズムを更に高めます。また、フィルムコンデンサは電解コンデンサより強い耐久性をもっている事もよく知られており、バランスインプットのcouplingの場合、経年変化による低周波数のCommon Mode Rejectionの低下などの悪い影響を与えないことも重要なポイントなのです。

全てのオーディオに関連しているレジスターには金属皮膜タイプを採用し、完璧な熱に対する高安定、電流性ノイズの低減ために使っています。さらに全ての重要なシグナルパスにはコッパーエンドのCAPSをスティールの変わりに使用しています。これは誘電性リアクタンスを避けるため非常に有効です。

フェライトビーズ(Ferrite Beads)は高周波数帯域において抵抗を持ちますのでRF対策に非常に有効となります。フェライトビーズと高い安定性のポリプロピレンキャパシターはインプットフィルターを形成しRF干渉からインプットアンプをプロテクトします。アウトプットのワイヤーの干渉も同様にプロテクトします。

Conclusion
まとめ

GRACE designのアンプ回路のクリエイト手法は最高レベルのパフォーマンスを第一に考えて開発されています。特に重要なポイントとして歪率、ノイズ、利得対周波数特性、位相対周波数特性を挙げることができます。しかし音楽はサインウェーブのテストトーンのような単純なものではありません。音楽を形成する要素は想像を絶する程の複雑なウェーブフォームとなります。したがって音楽のためのアンプ設計は音楽に対して最適化されている必要があり、そのためには繊細で詳細を極めたテストを必要とします。人間の耳によって確実な判断と決定を行うことが非常に大事なポイントとなるのです。

私達は総体的なプロセスを重視してエレクトロニックのデザインを行います。だからこそ私達の製品は妥協の一切ないソニックパフォーマンス、完璧な信頼性そして人間工学的な美しさを実現することができるのです。もし全ての回路ステージの開発においてエレクトリカルとメカニカルの要素が詳細にわたって考え抜かれている時、その結果そのプロダクトは決して色あせない永遠のプロダクトとして完成するのです。