■Amazing Grace!Hi-Fiニュース(イギリス)マガジンのレビューより

Hmm…プロマーケットから何か凄い商品が登場した。新次元のヘッドホンアンプ/DAC/そしてプリアンプがGRACE m902です。

なぜならオーディオファンとプロオーディオの間には深い溝が広がり続けています。彼らはオーディオファンがフリークだと感じているし、私たちは彼らが難聴だと思っているのです。そんな中で極めて稀に“クロスオーバー”が発生し、例外なくそういった製品は素晴らしいのものです。例えば彼らはNAGRA、LS3/5Aと無数のヘッドホンを私たちに提供してくれています。そして私たちは素晴らしいケーブルや、Wilsonスピーカーや真空管アンプを彼らに提供しているのです。このスタジオの居住区からやってきた、最新の宝石のような(m902)を試したら、もう完全に魅了されて、馬鹿みたいにニヤニヤしてしまうしかないでしょう!

どうやってこのアメリカのマニファクチュアーであるGRACE design社が、コンパクトなヘッドホンアンプにプリアンプ、D/Aコンバーターのコンビネーションを思いついたのかは明らかではないが、スタジオでの作業において効果的なトポロジーを持つという事は明らかだろう。大変クリアーな事実としてどんな国産のフルサイズのプリアンプも、オンボードDACも、ヘッドホンアンプに関しても、直接ライバルとなり同等に対抗できるような機種は見当たらないのだ。GRACE m902はプロフェッショナルな世界から、小型のボディーにベーシックなDACとプリアンプの融合、それ以上のものを引き連れてきたのだ。

この小さな宝物を見てみてくれ!このボディーの中に最高の品質のヘッドホンアンプと、24bit/192kHzのDAC(デジタル入力はTOSlinkオプチカル、S/PDIFコアキシャル、AESデジタルに対応する)、更にUSB接続によるコンピューターとのインターフェース、更にRCAとXLRタイプが用意されたアナログ入力、これらによりフル機能のシステムコントローラーを形成できる:4つのデジタル入力、2つのアナログライン入力、DAコンバーター、リモートコントロール、更にアンプやスピーカーを加えていく事も可能だ!

フロントパネルには2つの1/4インチヘッドホンジャック、アウトプットレベルや多彩なメニューファンクションを持つディスプレイ、ロータリーボリュームエンコーダー、インプットセレクター、そしてオン/オフスイッチが用意されている。メニューにアクセスすればバランスやハイ/ローゲイン切替や様々なキャリブレーションを可能にしており、モニタリングシステムとしてのインターフェイスに徹している。

THE TECHNOLOGY
GRACEはまだ素晴らしいレシピをこのm902ヘッドホンアンプに投入している。s-LockデュアルステージPLL(フェイズロックループ)もその一つである。このs-Lockは本質的なジッターを驚異的なまでに低く抑え込む、そして完璧にソリッドなデジタルパフォーマンスを実現する。

またX-Feedはパーソナルなテイストに効果的だ。X-Feedはアコースティックなラウドスピーカーのリスニング環境をシミュレートしているという、このX-Feedはヘッドホンを使用した時の聴き疲れも解消でき、イメージングを大幅に改善してくれる。
Jan Meier博士がデザインしたX-Feed機能は注意深く設計されたクロスフィード信号と、HRTF(Head Related Transfer Functions)をシミュレートしたディレイ回路に基ずいている。頭内でのイメージングに魅力的な効果を与えてくれるこの機能は、おまけの機能だと退けてしまうにはいかない!

長年に渡って私(筆者)は数え切れないほどの、様々なヘッドホンアンプを使用してきた。その中にはGradoやAudio Valve、Musical Fidelityなど素晴らしいものが含まれている。今あげたヘッドホンアンプはもちろん貴方が今のヘッドホンアンプに不満で、DACに関しては不満がなければお勧めだ。しかしGRACE m902ヘッドホンアンプはリファレンスヘッドホンアンプとして、まず候補にすべきヘッドホンアンプだろう。なぜならGRACE m902はあらゆる他のヘッドホンアンプを超えてしまっているからです。 m902のハイカレント・トランスインピーダンス回路はあなたが接続しようとしている、あらゆるヘッドホンをも完全にドライブするでしょう!それが馬鹿げたほど低いインピーダンス(例えばあの伝説のBeyer DT48sの25オーム!であっても!)完全にドライブできてしまうのです。

Staxのサウンドがエアー感とブリリアンスを持っているとすれば、GRACE m902のサウンドは全くクリアーで、全く色付けのない、そして私はこれがヘッドホンモニタリングである事を一瞬忘れてしまうほどの、原音再生能力(Naked and Revealing)です。一般にオーディオファンにとっては非現実的な美徳かも知れませんが、思い出してください、m902はレコーディングなどで使用されるプロフェッショナル現場で使われるためにデザインされているのです。全てはむき出しでなければいけないのです(音を判断するためのリファレンス的な音質=原音に忠実でなければならない)。GRACE m902の優れた点は、このサウンドを魅惑的なスムースなサウンドに仕上げ、オーディオファンにも迎えられるようにしている点です。

純粋なステレオトランスファーであるBobby VintonのBlue Velvetを聴く。バックボーカルの落ち着いた輝き、エレクトリックベースのスラップ音は柔らかくソリッドだ。ChantaysのPipelineのオープニングでは太いベースが語りだすようだ!そしてモノラルレコーディングにおいてもそのサウンドは素晴らしい。Kyu SakamotoのSukiyaki Song(上を向いて歩こう)を聴けば、それは正にゴージャスだ!口笛のソロはナチュラルで、シビランスから解放される。彼の声は日本語の微妙なニュアンスまで完全に聞き取れる。Singing NunのDominiqueではその驚異的なトランスファー能力が全てを証明した。アコースティックギターはシンプルに素晴らしく、荘厳で大きなサウンドだ。そして全ての音節を聞き取ることができるほど明確だ。

PLAYER SWITCHES
このテストの間、私はあらゆるCDプレーヤー、DACをGRACE m902でスイッチングしていた。これは高級車のようなコンバーターだ。超一流である。さらに便利でフレキシブルでもある。ソニックなパーソナリティーを持っている。興味深いGRACE m902のDACサウンドの特徴として“でしゃばらないサウンド”を感じる。ヘッドホンを比較するときとは全く逆だ(ヘッドホンはどれだけサウンドが“でしゃばっている”かを特徴としている)。

さて質問の時間だ。M902は必要か?大半の普通のDACを装備していないヘッドホンアンプよりもちろん高価である。キーになるのはDACセクションの性能だ。CDトランスポートのレビューをするのにはリファレンス品質のDACを使う必要がある。もしあなたがスピーカーで音楽を聴くのと同じようにヘッドホンを使う機会があるのなら必ずm902を聴いてみてもらいたい。貴方のヘッドホンを使用する機会は、間違いなく増えるに違いない。そして貴方は私がこのGRACE m902ヘッドホンアンプを購入した理由を全く理解するに違いない。

VERDICT
もし貴方がDACやプリアンプが必要でヘッドホンを良く使用するのならGRACE m902はユニークな役割を果たしてくれるでしょう。最もニートでコンパクトでクリーンなサウンドのコントロールセンターをこの価格で入手できるのです。私は私のデスクシステムにm902を導入しています。週に5日間は、ここで毎日6時間もm902でリスニングしているのです!