DEMETER Compulator/COMP-1+ジャズベースでの試奏レビュー
オーソドックスなジャズベースとCompulator/COMP-1の組み合わせはとても相性がいい。
この手のフットボックスタイプではギター専用としてアタックリリースがプリセット(固定)されていて、エレクトリックベースに使用した場合ではこのプリセット具合によって音の立ち上がりが不自然になったりポンピングが強く出てしまい、妥協のサウンドしか作れない場合がある。Compulator/COMP-1ではCompressノブの調整だけでまったく問題のないサウンドが仕上がり、その完成度はこのまま本録りで使用出来るほど。高級なレコーディング用コンプリミッターの代用として遜色無く使え、またそのような機器に比べて操作が簡単なのでアマチュアにもユーザーフレンドリー、プロには迅速な仕事に貢献する。サウンドクオリティから使用パーツや回路設計がハイレベルであることが予想出来て、しかも製品開発を担当した人間の高度な音楽性もうかがえる。
通常のパッシブピックアップの付いたベースではCompressのコントロールは最弱から9時ぐらいのあいだでとても繊細な調整が行なえる。ほんの数ミリ動かすだけでしっかりと圧縮具合を変えられる。それ程調整幅が広くはなくてもサウンドとしては変化がわかり易く用途にあわせて実践的な操作が可能。ノーマルサウンドから若干圧縮させたいときに思い通りの細かな設定が出来るところなどはマスタリングレベルのリミッターを1dB単位で圧縮率をセッティングしているような感覚、こんな小さな箱でここまで繊細なサウンドメイキングが出来るものは他にはないだろう。
調整ノブはこのCompressとVolumeのみだがサイドの小さな穴にあるトリムポットによりコンプレッサー回路のプリアンプのゲインをセット出来る。楽器のピックアップ出力が大きく歪んでしまう場合にはゲインを下げ、小さい場合にはファクトリープリセットから6dBまで上げることが可能。エレクトリックベースに対しては若干ゲインを下げるほうが本来の使用方法であり、9時ぐらいまでの調整幅もさらにワイドに使い易くなるが、そのまま使用すると強いタッチの時だけ若干歪み加減になるくらいの太いサウンドも演出できる。これがかなり気持ち良いのでそのままで良しとしてテストを続けた。
音やせはまったくなく、色づけもほとんど感じない。クリーンでハイスピードレスポンスな印象の中にもわずかに濃くなる演出が出来、サウンドへのデメリットはまったくない。オーディオ特性が優れていると音楽ジャンルや楽器による相性、サウンドカラーとは関係のない部分で、全てに於いて個性を引き立てる良い仕事をこなす。アーティストの求める方向性を正しくフォローして音楽性をさらに強調する。いたずらに強いインパクトを与える「飛び道具」ではなく芸術性を引き立てる標準機として経験の深いプレイヤーほど良さを理解出来るタイプの質の高いプロ仕様イクイップメント。大きさかたちは大衆的コンパクトエフェクターと同様ではあるが、中味は我々が求める性能を十分満たした「プロとして実用性の高い」サウンドサポートマシンである。制作現場にはこのような機器が無いと良い音楽は生まれないし、これの良さを理解出来てこそ仕事の質を上げられると思う。
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