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MusicTech Magazine (2006.11月号より)

近年のマイクロホンマーケットの話題で最もウェルカムな出来事はリボンマイクロホンの流行だ。
Crowley and Trippは医療分野を専門とするSoundwave Research Laboratoriesをルーツに持ち、全く新しいアプローチでリボンマイクを開発しています。


Naked Eye リボンマイクロホン

Rob Crowley と Huge Trippはマイクロホンのビルダーとしては完全に特殊なバックグラウンドを持っている。大半のプロフェッショナルマイクロホンメーカーの開発プロセスとは異なり、この会社の最初のプロダクトはなんと医療機器であるIntravascular Ultrasound (IVUS)の開発でした!彼らの開発したカテーテルにインサートできる精巧なトランスデューサーは超音波血流検査に応用され様々な医療分野で活躍しています。



しかし明らかにこのNaked Eyeは医療機器ではありません。列記としたミュージックレコーディングの為のリボンマイクロホンなのです。それも2つの個別のパーソナリティーを持っている。Crowley and TrippはこのNaked Eyeリボンマイクに2つのピックアップレスポンス(サイドAとB)を持つデザインを施しました。同社のベストセラーマイクロホンである上位機種のProsceniumで好評を得たビンテージ音質をサイドAに、ブライトな音質とハイアウトプットが特徴のStudio VocalistのサウンドをサイドBにそれぞれモデリングしています。

オープンでブライトな音質に達するためラッピングの層を可能な限りミニマムに保ち、保護の為のパディングを採用する構造のリボンマイクデザインは使用上の信頼感にも優れています。

Naked Eyeはその深いブルー・グリーンの筐体のカラーリングとスマートなエナメルロゴが印象的な見た目です。付属のマイクマウントは一見変わっていますがボディーへの装着や調整が簡単に行える構造です。全てのセットは頑強で美く、安全なクッション構造の木製のケースに収められています。


TWO-TONE RIBBON

まずはじめに私達はNaked Eyeをフルパワーのギターアンプにマイキングしてみた。ほんの5センチ程の至近距離でのマイキングだったがサウンドは全くクリーンで問題なしだ。トラディショナルなリボンマイクサウンドを聞かせるサイドA側のサウンドは輝くような高域が美しい、またサイドB側のサウンドは荒々しいエッジをスムースに聞かせてくれる。Naked EyeのサイドB側のサウンドは並外れた分解能と、空気感を十分に含んだリボンマイク特有のサウンドをプロデュースする。一般にリボンマイクでは高い周波数はソフトになり気味であり、ナチュラルでスムースなミッドレンジがより強調される。しかしながら
Naked EyeのサイドBのサウンドは伸びやかな高域のキャラクター(BeyerのM160を思い起こさせる)と、空間の再現に優れたバランスの良い中域と低域を見事に両立させているのだ!アコースティックギターのマイクとしても別格の性能である。


MIX and Match

一般にリボンマイクは出力レベルが低く、マイクプリアンプとのマッチングが問われます。ゲインを大きく上げた場合のプリアンプのノイズレベルなどが問題になります。しかしながらNaked Eyeは大変ラウドな出力を持ちます。マイティーなColes 4038と比較することができるでしょう。

またNaked EyeはColesリボンマイクなどに比較して圧倒的に近接効果が起こりにくいため実用的なマイキング距離でのセットアップが可能であり、ターボチャージ型のマックスゲインのプリアンプを用意する必要もなくなります。もちろん多少の近接効果は起きるのですが、そのサウンド変化がたいへんに扱いやすく、Colesの近接効果のよりも断然調整が効くのです。私達は本当に素晴らしく奥深いアコースティックギターサウンドをNaked Eyeを使ってレコーディングしました。マイキングはアコギからたった15cm程度の位置にNaked Eyeをセット、プリアンプ側でローカットを入れました。

またボーカルのレコーディングでも同じように簡単に分厚いサウンドを得ることができました。サイドB側では(ボーカルの)息使いまで豊富に表現され、シビランスを全く気にすることなく明確な子音をプロデュースしてくれる。

Crowley and TrippのNaked Eyeではマイクの両サイドでのサウンドの違いを明確に打出している。実際にはどんなフィギュア8指向性のリボンマイクでも両側のサウンドには違いがある。しかしこのNaked Eyeが持つはっきりと違う素晴らしい2タイプの音質キャラクターはあなたのレコーディングサウンドを全くのEQなしでファインチューンしてくれるに違いない。




<SUMMARY>

■2タイプのサウンドを1本のリボンマイクに集約
■素晴らしく完璧なビルドクオリティー
■好ましい方向の近接効果、調整がしやすい傾向
■伸びやかな高域



<MEAURING UP>

Crowley and TrippのNaked Eyeはこの価格ながら大変優れたリボンを採用している。これが他のリボンマイクを圧倒するソニックな音質を生み出している。(比較すると)Coles 4038は大変ビッグなサウンドだが、このサウンドに最適な十分大きなレコーディングスペースを探すのは容易ではないかもしれない。Royer R-121は同様にブライトで詳細なサウンドだ。AEA R-92はクローズマイキングに最適化されており近接効果を計算した音作りが特徴だ。