Chandler LimitedのTG1はタイムカプセルで古き良き時代に戻ったような気分にさせてくれる。色彩豊かなあらゆるコンプレッサーサウンドから、ハードリミッティングサウンドまでを実行できる。トランジスターコンプながらまるで真空管ような今までには無いサウンドだ!
--- Barry Rudolph Mix Magazine 2003 ---
このEMI/Abbey Roadのコンプ/リミッターは私が持っている46種類の、どのコンプレッサーとも違う!アグレッシブなクオリティーを実現するのにドラムのルームマイクに良く使用するんだ。ステレオ出力のオーバーオールレベルに影響を与える事なく楽器にパンチと明瞭さを加えることができる。最高だよ! <
TG1は全てを色彩豊かに仕上げてくれる。非常にわずかなコンプレッションからスクイーズしたようなリミッティングまで、全てがこのボックスには備わっている。どんなデジタルレコーディングにおいてもこのビンテージサウンドは最高だ。TG1無しでのミックスは考えられないよ。
--- Michael Wagener (Metallicaなどのエンジニア)
Chandlerの製品は全てグレイトだが、その中でもTG1は最高のお気に入りだ。最初に使用した時はピアノトラックのオーバーダブ中だった、何人もの関係者がプレイバックサウンドの素晴らしさの秘密を探りに部屋に入ってきたよ。その後すぐに2台目のTG1を購入した。メモラブルなクラシックサウンドは最高だよ。
--- Andy Smith (Paul Simonなどのエンジニア)---
"Holly Shit !! "僕はもう2度とTG1以外のコンプでトラッキングしたくないよ!凄く良くなるし、素晴らしい音楽感を持っている。
フューチュアー・プリミティブ(最新であり懐古的な)サウンド・スタイルを追及した機器の中でも、ChandlerのTG1は全くの新世代サウンドを打ち出した。このステレオ・コンプレッサー/リミッターは英国EMIの専用ミキシング/マスタリング・コンソールとして数々の名演で使用された EMI TG12413コンソールに組み込まれていたモジュールを精巧に復元している。EMIが1950年頃から使用されてきた真空管機器からトランジスター機器に移行した初めての機器がTGシリーズだ。
EMIは英国、ミドルセックスのヘイズの地にてTGシリーズを開発し、あのロンドンの伝説、EMI's ABBEY ROAD STUDIOに初めてTGシリーズを1968年に設置した。あのThe BEATLESによる『ABBEY ROAD』などの至上の名作アルバム、『Hey Jude』『The Ballad of Jhon and Yoko』などのシングルの全てにこのリミッター・サウンドが溢れています。ABBEY ROAD STUDIOは1983年までこのTGシリーズのコンソールを使用し続け、あのPink Floydの『Dark Side of The Moon(狂気)』、Paul MaCartneyの初期ソロアルバム〜Wingsの数々の傑作アルバム、ビートルズ各メンバーのソロ作品のサウンドを決定付ける最重要なファクターとなりました。
A ROCKIN' TWO SPACE BOX
Chandler LimitedのTG1は全てをハンドメイドで精巧にくみ上げ、オール・ディスクリートのクラスA/B回路によるアナログ・サーキット、バランス・トランスフォーマーによるインプット/アウトプットを実現しています。NEVEモジュールの専門家達には欠かせない 純正のトランスフォーマー、ELMERのロータリー・スイッチなど真の血統によるブリティッシュパーツを贅沢に使用しています。ゲインはバイアス電流とツゥエナー・ダイオードのよってコントロールされ、ツゥエナー・リミッターの特徴である<スムース>で<魅力的で><心地よい>1968年のフラワー・ムーブメント的な、カラフルなディストーションや倍音をプロデュース可能です。
TG1はハーフラック・サイズの別売の外部パワーサプライ PSU-1にて駆動します。TG1は無骨で大きなNEVEケースのような2Uのラックマウント・スティール・ボックスに収められ、内部を見てみると、配線なども丁寧に慎重にハンド・ワイヤリングされていることがすぐ判ります。これだけ丁寧に創られていれば、TG1をどんな場所にも心配することなしに持ち出せるでしょう。
Cool Look And Style

私の目は直ちにTG1のブリティッシュ・スタイルのRAFグレイ・パネルの左側にある、黒いバタフライ型の2つの大きなサウンド・メーターに釘付けになった。これらのメーターはオリジナルのEMIのTGコンソールと完全に同じポジショニングとなっているゲイン・リダクション・メーターだ。上下に円を描くように振れるタイプで、ミリタリー・ライクなルックスをキープしている。また全てのスイッチはフロントパネルから少しだけ浮かせてあったり、古き良き英国風な黒のラジオ・ポインター・タイプのコントロール・ノブなど、オールド・ファッションなスタイルと使い安さに徹底的なこだわりを見せている。
VUメーターの右側には、mono/stereo linkの切替スイッチと各チャンネルの in/out切替スイッチが配置されている。全てのコントロール・セクションはオリジナルEMIのTGシリーズの銘を残している。音の創りこみには、まずHOLDコントロール・ノブからスタートする。このHOLDコントロールは1176LNのような、インプット・レベルとスレッショルドを同時にコントロールできるビンテージ・タイプだ。次にOUTPUTコントロールでメイクアップ・ゲインを決めていく。このアウトプット・スイッチはELMA製の贅沢な(音質ロスの排除し、ピュアな音質を保つ)ステップゲイン/21ポジションのロータリースイッチを採用している。センターが 0dBで±10dBのレンジをもっている。またTG1は2タイプのオペレーション・モードを内蔵しており、CompressとLimitの2タイプを切り換えられる。この2タイプの切替モードによって内部のアタックタイムをコントロールし、幅広いサウンド作りを可能にしている。コンプレッサー・モード(COMP)ではアタック・タイムが47msに固定され、リミッター・モード(LIMIT)ではより高速な8msに設定される。COMP/LIMITモード共にそれぞれのモードによってリリース・タイムを6ポジションのスイッチでコントロール可能で、このスイッチは<RECOVERY>と名付けられている。
それぞれのモード時のリリースタイムのポジションは以下のように切り替わる
COMP モード 0.25, 0.5, 1.2, 2.5, 5, 10 secの6ポジション
LIMITモード 0.05, 0.1, 0.25, 0.5, 1, 2 secの6ポジション
コンプレッション・レシオは両モード共に2:1。
In The Studio
TG1は非常に使い勝手がよく、いとも簡単に素晴しいサウンドを創りこむことができる。まずはCOMPモードを選択し微かなコンプレッション(1〜3dB)の施してみた。大変に反応が良いHOLDコントロールとレンジのボトムからしっかりアクションする音質が素晴しい。Pro Toolsの192I/Oに24bitフルレンジのサウンドを送り込むことが容易にできるのは素晴しいことだ。アウトボードやコンソールのインサートにポスト・フェーダーでインサートしてレベルを減少させるよりも、全く良い結果となった。OUTPUTノブによって、まるで簡単にゲインをメイクアップすることが可能であった。
Comp Mode
私はエレクトリック・ギター、ボーカル、ベースギターにCOMPモードを試してみたが、非常に気に入ってしまった。そのサウンドは分厚く、温かく、オープンなサウンド・キャラクターを持っており、ヘビーなコンプレッション時のハイフリーケンシーの感じも良い。フルコンプレッション時の0.22%のディストーションも使える、特にギターやベースにはたまらない。強くプレスしたハードなコンプレッション・サウンド時のTG1のサウンド・キャラクターは、私が聞いたことのある機材の中で最も真空管のようなサウンドを持った、トランジスタ・ベースのコンプレッサーである。
TG1をステレオのトラッキングに使用したが、これもまた非常に良い結果となった。両方のRecoveryノブを同じポジションにセットすればOKだ。このRecoveryノブを使って非常におもしろいサウンドを発見したので裏技として書いておこう。まずモノのギタートラックを両方のチャンネルに送り、大きく異なるRecoveryポジションをそれぞれ設定する、そのサウンドを左右のパンで定位させると大変立体的なサウンドを構築することができた。一方のモードだけをLIMITモードにしても良い結果となる。
Extreme Limit Mode
LIMITモードではより過激なサウンドを得る事ができるだろう。私は長年にわたって、あの偉大なるドラマー”Ringo Star"の『ABBEY ROAD』におけるドラムサウンドを再現しようとしてきたが、決してあのサウンドに近ずくことは不可能であった。(例えばあの『Something』における温かく、『She Came In through the Bathroom window』の包み込むような、『Carry that Wait』におけるヘビーな、そして『The end』の圧巻のドラムソロ・パートのような・・・)Fairchildの670こそがと思い使用しきたが、このChandler TG1こそがあの素晴しい偉大なサウンドを作るのに最適であった。HOLDコントロールを上げるだけで、あのクラシックな<Pumping/Breathing>なサウンドを簡単に作れてしまう。Recoveryのセッティングは微妙だが、1または2のポジションがドラムには良いだろう。ビートルズのクラシック・アルバムを聴くとRecovery(リリースタイム)は楽曲の持つテンポに合わせてロックアップされているのがよく判る。リンゴのドラム・シンバルとルームアンビエンスは、ベースドラムとバックビートの間にふっくらと存在している。
またドラム収録時のアンビエンス・マイクにTG1を使用すると、全ての部屋のルーム・トーンを余す事無くキャプチャーする事ができるようになる。もし部屋のサウンドが良い場合、私は迷うことなくTG1をルームマイクのトラッキングに使用するだろう。このクラシック・ビンテージ感覚溢れるドラムサウンドは、間違いなくスローテンポのミディアム・ロック・ソングには最強であろう。
またボーカル、そしてピアノなどに使用しても即座にあのビートルス風の味付けを発見できる。『Lady Madonna』タイプのホンキートンク風ピアノには1〜3位のRecoveryタイムがぴったりだ。ボーカルにもサウンドを聞き違えるような、劇的なリミッターサウンドをミックスに加えることができる、Recoveryタイムは1が良いだろう。TG1を通った音はプレゼンスをしっかり保ち、決してミックスの中に埋もれない存在感を加味する。
Chandler Limited社のTG1はまさにチャーミングなリミッター/コンプレッサーである。完全に新しい色をあなたのパレットに追加する事だろう。この様な、<使える>コンプレッサー・サウンド+<突き抜けた>リミッター・サウンドを現在の新品のプロ・オーディオ・ギヤーで再現することは不可能である。
過ぎ去った良き時代に敬意と尊敬を払いながら、私はおらゆる音源にこのTG1を愛用していくに違いない。