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ゲルマニウム・コンプレッサー Tape Op マガジン・レビュー (Sept/Oct 2007号より)

ChandlerのGermanium Compressorはデザイナーであるウェイド・ゴークによる驚愕&革新的な1台だ。Germanium Compressorはどんなコンプレッサーとも違う、間違いなく彼のベストデザインに数えられるだろう!もはやコンプレッサーというより、新しいジャンルやスタイルを提唱するかのような機材だ!

Germanium Compressorは2年の歳月をかけて理論に捕らわれず耳を頼りに開発されている。ウェイド・ゴークはTG1やZENER LIMITERといった良く知られた定番の、そしてレベリングにおいて間違いが無く、更にロックなコンプレッションサウンドのデザインを手がけてきた。Germanium Compressorでは更に多彩なコンプレッションサウンドを実現している。

ベーシックはビンテージ 1176のような FETスタイル、1U /シングルチャンネルのコンプレッサーである。連続可変タイプのアタック/リリースコントロールを持っている。また他のGermaniumシリーズ同様のメイクアップ・アンプを装備する。GAINとFEEDBACKノブによ +25dBまでアウトプットレベルを稼ぐ事が可能だ。FeedBackコントロールはアンプのインプットステージのネガティブフィードバックの量を出力レベルに影響させる、この2つの組合せが生み出すサウンドのトーンとテクスチャーは膨大だ!ある組合せは低域が力強く、ある組合せではハイエンドが美しく強調される。30分も集中しているとこのGAIN&FEEDBACKの組合せの幅広さを実感できる。マニュアルにも質感のガイドが詳しい。

アタック/リリースコントロールは全て耳で判断されている為に速い〜遅いといった表記しかない。実際に大変速いアタック〜非常に遅いところまで作りこまれている。数値や計算を一切しなかったという(従来では在り得なかった革新的な)本機の設計では音楽的でありナチュラルである事が最重要視されている。

Dirty / Clean CompスイッチをCleanにあわすと一般的なFETコンプレッサーのようになる。Dirtyモードでは歪感がナチュラルに増す。RATIOコントロールも実際の圧縮率はイヤーセレクトのため表記されていないが一般的なものだ。そして注目のComp Curveとなる。これは基本的にはコンプレッションのニーカーブをコントロールするものだ、Ratio と Curveはコンプレッション動作にインタラクティブに作用しあい素晴らしいな効果を生み出すのです。Comp Curveは更に6つの異なる抵抗(ゲルマニウム、シリコン、ツェナー)の組合せを使用しています。何とコンプレッションのカーブセレクトポジションのそれぞれが6つの異なる質感のキャラクターを持っているのです(ジェントルなゲルマニウム、よりハードなシリコン、そして最もロックなツェナーといったように)!

Side chainも素晴らしい機能です。驚くほどの効果を得られるセクションです。ウェイド・ゴークはZener Limiterでもこの機能を盛り込んでいました。これはコンプレッションの検知器に送られるシグナルに対するハイパスフィルターです。ドラムのサブグループミックスやギターなどで低域がコンプレッションに反応しすぎる場合などに素晴らしい結果を得ることができます。例えばサブミックスのドラムスミックスで3dBのコンプレッションをスネアに合わせたとしても、キックでは6-8dBのコンプレッションとなってしまうでしょう。このSide Chainを60または90Hzあたりにセットすれば素晴らしいバランスでドラムスへのコンプレッションを実行できるはずです。またベースやギターのローE弦でも非常に役に立つ機能です。

また最もコンプレッサーらしからぬ素晴らしい機能がWet/Dryミックスです。コンプレッションサウンドとドライシグナルサウンドを調整できるこの特別なノブではまずオーバーコンプレッションによって失われたアタック感を簡単に取り戻すことができるでしょう。また曲のダイナミクスが大きく変化をする時の天井がつかえたような感じをなくすことも出来ます。このノブを9時くらいに合わせるとコンプレッションによるアタック感への影響はほとんど感じなくなりました。11時くらいではドラムのサブミックスで天井のリミット感は全く無くなりました。よりナチュラルなサウンドダイナミクスを調整できるようになります。最初にこの機能を試した時私は大変に驚きました!かつて無いほど素晴らしいサウンドになったのです!Wet/Dry mixによって誰もが素晴らしいサウンドを得ながらも、ダイナミクスを調整できるようになる事にすぐ気がつきました。またこれにより2つのステージのコンプレッションルーティングのテクニックを簡単にします。私はこれを今年のTape Op Conの会場でデモンストレーションしました。コンプレッションされた信号とされていない信号の和を、更に2台目のコンプレッサーに送るのです!Germanium Compressorはこのテクニックを使用するのに最高のコンプレッサーです!複雑なルーティング方法なしに最高の結果を得られるのです。

さてその総合的な音質は?もちろん他のChandler機材同様に素晴らしいの一言です!
Wet/Dry を使えば(TG1 やZener THD モードと同じように)コンプレッションを行わずにトーン質感のキャラクターだけを操作できます(つまりコン
プレッサーとしてでなく、例えばデジタルミックスやサンプル音源にアナログ質感だけを加えたいような使用方法も可能ということ)。高域、中音域のクリスタルな明瞭感、低域の大きな音像とパンチ感(ダークな感じではない)を備えている。Driveコントロール(GAIN)はFeedBackノブよりローエンドが強調される印象だ、Drive(GAIN)が7で自分には40Hzと12kHzをシェルビングブーストしたような効果を得られるように感じた。Driveを低くすると40Hz付近がフラットに戻る印象。更にスレッショルドが9を超えるとサウンドにざらつき感を演出できた。これは実際にはゲインリダクション無しでも得られる使える効果である。

もちろんWet信号だけの一般のコンプレッションサウンドも良いが、Wet/Mixコントロールを自分はほとんど使用することになった。またSide chainは自分にとって幅広い用途に使えた。まさに自分が求めるサウンドへと到達する事ができる。素晴らしいGermaniumシリーズのトーンをダイナミクスと共に操れる。また私はもう1台のコンプレッサーを使用する方法を使用した。これによりローダイナミクスセクションとハイダイナミクスセクションをコントロール可能だからだ。Wet信号はこれによって2度コンプレスされる、同時にしドライ信号は2台目のコンプによって1度のみコンプレスされる。もしあなたがドライ信号を的確にミックスしたなら、Wet信号によって静かなパートがマスクされてしまう事を防げるだろう。しかしラウドな

セクションではWET信号がマスクされてしまう。ドライ信号だけが2台目のコンプレッサーで処理される事で素晴らしい結果が得られる事が容易に想像いただけるだろう。

ChandlerのGermanium Compressorは本当に最高のサウンドのコンプレッサーだ!ドラムス、ベース、エレキギター、アコースティックギター、チューバ、トロンボーン、アルトサックス、そしてボーカルとどのレコーディングでも私は最高にハッピーな結果を得た!ミキシングにおいても私のファーストチョイスは2台のGermanium Compressorを2ステージで使う方法だ。ドラムやギターのサブグループでは特にこの方法が良い。ステレオバスやマスタリングでも私は素晴らしい音質をゲットした。私はこのユニバーサルなエフェクト効果におけるWet/Dryコントロールの果たしている役割は大きいと思います。本機の様々なユニークな発想による機能は独特なもので簡単に素晴らしい効果を得ることができるものです。全く新しいジャンルに値するコンプレッサーの登場です!

マイク・キャフレイ






CLEAN MODEとDIRTY MODE
『Germ Compは基本は1176のようなFETコンプレッサーですが他のChandler製品と同様様々な機能をフィーチャーしている。まずクリーン/ダーティーコンプのスイッチ切替、クリーン側では透明感がありクリーミーな質感になる活力のあるサウンドでアタックを強調したい場合に良い、アコースティックギターのストロークやパーカッションには最高だ。またダーティーモードはより多くのTHDをプロデュースしバイブ感や美しさを強調する。ダークになるのではなくファットになる感覚だ。DAWやソフトシンセやソフトサンプラーが持つプラスティックのようなサウンドにもとても使える機能だ。1台でこれだけ幅の広いサウンドが扱える機材は稀だ。私がウェイドゴークに書いたメールにはこう書かれている“このコンプレッサーはクリーンまたはクリーミィーなサウンド 〜 ハードなリミッティングサウンドまでいける!”』

サイドチェインとMIX機能
『Germanium CompressorにはSIDE CHAIN、すなわち低域があまりコンプレッションをトリガーしないようにするハイパスフィルターが組み込まれています。この機能とツボを得た周波数ポイントの便利さは口では表現できないほどです!またMIXノブではWET/DRYをコントロールできます。たいへん興味深く、知る限り史上初の機能ではないでしょうか。パラレルに2台のコンプレッサーを接続する利点はトランジエントをキープし、サウンドの活力を失わせないことです。私はGERM COMPをテンポの速いポップロックのボーカルで使用しました。シャウトした部分でコンプレッションが深くなるとボーカルのエナジーが失われがちでしたのでミックスノブを少しだけDRYサイドに廻すと一気にトランジエントが甦りリアルで生き生きとしたサウンドに戻りました。十分なダイナミクスとパワフル感を完全に保ったままで!またベーストラックではZENER HARDモードでまるでベースシンセのようにスクワッシュされたサウンドを作りました。ここでも魔法のようなミックスノブが活躍しました。DRYサウンドを少し混ぜるとピッキングニュアンスが生命感に溢れ、目がパチクリするようなサウンドです。興味深いサウンドでこのGermanoium Compにしか出せないサウンドです!サイドチェインとMIX機能はこれからのコンプレッサーに標準で搭載されて絶対に良い機能だと思います。』


6台のコンプレッサーを購入したかのようなバリエーション!
『6つのコンプカーブセクションは私のフェイバリットなパートです。各6個のモードは様々な素子の違いにより全く異なるそれぞれのサウンドキャラクターとコンプレッションのカーブを持っています!このモードの切替で全てが変化します!同じノブの位置でもサウンドが全く変わってきます!本当に6台の異なるコンプレッサーを購入したかのようです!

R Soft
はとてもニュートラルなサウンドで明確なコンプレッションサウンドになります。リリースが速くなり、よっぽどインプットを上げてレシオをマックスにしない限りハードなサウンドにはなりません。

Germ SoftはR Softより強いイメージです。よりゲルマニウムらしいサウンドです。サウンドへの色付けが強めになります。

Germ MediumSilicon Mediumはより視覚的な色付けが強くなります。Silicon Medのほうがニュートラルなイメージです。コンプレッションの性質はそれぞれ異なります。

Silicon Hardはもっと握りつぶしたようなサウンドです!キャラクター感も大きい。でもニュートラル感は保っています。パンチ感がありながらも安定したサウンドが必要なときには最適です。ピアノ、アコースティックギター、アーバンなフォークロック的なイメージを感じました。

Zener Hardモードは最も掴み感が大きく、また異なるキャラクターが特徴です。Germモードよりハイがロールオフしており大変太いサウンドです。中域が前に出てきてフォーカスされたサウンドです。』


スクイーズ!
『Germanium Compressorをある日使っていたら変なクリック音がしました。良く調べるとリダクションメーターがエッジにヒットしている音でした。知らない間に実はかなり深くコンプレッションしていたのです!普通はコンプレッションが深ければサウンドのタイトさが失われるので即判るのですが、GERM COMPではかなりスクイーズされているにも関わらずサウンドがまだ十分にタイトなのです。説明するのが難しいですがこれは経験すべき、そして聴くべきです!』


サウンドのシェイピング
『私はコンプレッサーをダイナミクスのコントロールとしても、またはそれ以上にサウンドのシェイピングの道具としても使います。サウンドのグルーブはEQよりも出せます。GERM COMPはいままで私が使ったどのコンプレッサーよりサウンドを積極的に変化させます。このGerm COMPは大半のパラメーターを耳でチューンしているそうです。使っていると“Just Right”なセッティングが実感できます。』


総評
『Germ CompはLA2Aのようなオプチカルコンプのサウンドや1176の4つ押しサウンド、またはDistressorのBritish Modeのようなサウンドが出るわけではありません。しかしながら今日のマーケットでは最も魅力的な機能を持つ製品に違いありません(サイドチェイン、クリーン/ダーティー、ミックス機能 etc...)、そして6個のコンプカーブ、ゲルマニウムドライブ機能を持っています!最も素晴らしいFETコンプレッサーと断言しても疑う余地はないでしょう。どんなソースにも合い、それらを好きなだけ良くしてくれる。サウンドはグレイトだ!全てのノブやスイッチが驚きだ!本当にロックやポップスではこのGerm Compで出来ないことはないくらい万能だ!』





『多くのレコーディングは仕事効率を求められます。仕事の早さは時間当たりの利益ですから。早い仕事をこなすためにたとえば、コンプのレシオは「なん対なに」でアタックは「いくつ」でって数字で覚えていて、おおよそ予測の出来るサウンドに早く到達できるように経験を積んでいくんです。
チャンドラーのゲルマニウムコンプレッサーのノブには数字が書いてないんですね。右に回すか左に回すか予測できない。左右両方を試さないとならない。はっ!と気づきました。仕事効率だけで録音をしてきた結果が、巷にあふれたコンビニエントな音楽….ウェイドゴークは「音楽」を本当によく理解しているんだなあ、よい音楽の創り方と悪い音楽の創り方を知っている。過去の技法に頼ることなく新しい試みをする大切さを再確認しました。』



Rock On Pro様
Germ Compレビュー