『1990年代になって私たちは今までに無くこれらのEMIオリジナル機材を多く使用するようになりました。』Holly氏は説明します、『先輩のレコーディングエンジニアであるPeter Cobbin氏は特にこれらのEMI機材に精通しており常にこれらを使用していました。その頃は今のようにレトロなアナログ機材について興味がもたれるようなことはありませんでしたからね。Peterと同僚たちはクラシックなEMIイクイップメンツのサウンドを新バージョンのハードウェアーとソフトウェアーによってよみがえらせる事ができないかと考えていました。2001年に私がアビィロードスタジオにやってきたときこのアイデアは非常に可能性があると感じました。実際には私たちはもう少しであるマニュファクチャーとこのプロジェクトについて契約をする手前でした、しかしウェイド・ゴークが作成したTG-1リミッターがここに現れたときには、もう私たちのパートナーはCHANDLER LIMITED以外に考えられませんでした。私たちはCHANDLER LIMITEDをパートナーに加えました!』
『全てのEMI機材は極めて少量しか作成されておらず、また大変価値のある機材です。これらの伝説の銘機のニューバーションを送り出すには絶好の時期だと思いました。』
ニューバージョンのユニットはCHANDLERのウェイド・ゴーク氏とアビィロードのPeter Cobbin氏をはじめとするエンジニアが中心となり進められました。作業はオリジナルに細部まで忠実に再現するよう進められていったのです。最初に完成したのがTG12413 Limiter、今ではTG-1として発売されているプロダクトです。
『私たちはいかに正確に精巧にオリジナルのサーキットボードを再現するかに特に時間をかけました。サーキットボードの配置などにおいても完璧なレプリカをめざし実現しています。全てのパーツは(1968年と)全く同じ位置に、極めて同一のパーツで配置されているのです!例えばラインアンプのトランジスタは残念ながらすでに生産されていないパーツでしたが私たちは実に数多くのカンパニーをあたり、実に正確に同じ機能、そして同じ音質のパーツを厳選しています。新しく発売されるCurve Benderイコライザーではラインアンプにゲルマニウムトランジスタが使用されていますが、これも実に沢山のレアパーツのスペシャリティーがこのパーツを生産してくれたおかげで完璧な品質をコントロールすることができました。このような話は私たちのどんな新製品についても当てはまります。膨大な開発費用と膨大な時間、そして間違いなく細かい部分についても厳しく開発されているのです。』
その忠実なオリジナルのリプロダクション性のためにWade Geoke氏はEMI/ABBEYROADの資料アーカイブにあるMike Batchelorらによるオリジナルデザイン、開発途中のデザインノートなどを注意深く調べました。テスト機や回路のアートワークについてまで詳細に調べつくす大変な作業であったとウェイド・ゴーク氏は回想しています。『またアビィロードで1960年代から活躍しているLester Smith氏が多くを助けてもくれました。オリジナルの回路設計について膨大な知識で助言してくれたのです。』
オリジナルのドキュメントにある重要な事項と対極にあるのがコンポーネンツの経年変化によるサウンドの変化です。ウェイド・ゴークの意見はこうです『確かなことは正直判らない部分もあるが、確かにそれによって多少の音質の違いがあるかもしれない。でも自分はその事についてはポジティブに考えているんだ、新品のパーツとトランスフォーマーによって(アビィロードにある何十年も前のオリジナル機器と比較した)サウンドは多少クリーンに聞こえるかもしれない。またより低ノイズなパワーサプライの設計も影響しているかもしれないね。でも間違いなくこのユニットは私たちの時代において完璧に(EMIオリジナルの機材を)再現しているんだ!』
これらの新品のビンテージEMI機器には何ら新しいテクノロジーは投入されていません。プロジェクトに関わる誰もがオリジナルにない機能を求めようとはしませんでした。
ウェイド・ゴーク氏によると『新しいテクノロジーに関してはフロントプレートのプリントデザインと基板のデザインにコンピューターを使ったくらいのものだ。しかし新しく発売するZener LimiterとCurve Benderには沢山のオリジナルにはない改造を施したんだ。よりフレキシブルな設計になっている。サイドチェインフィルター機能などはEMIユニットでは見られないものだ』
|