
2.1システムの優位性と100Hz以下の音の特性
2本のステレオペアまたは5本のサラウンドスピーカーに低域専用のスピーカーを1本追加した2.1(5.1)と呼ばれるフルレンジシステムは、大口径のウーハーが組み込まれた通常のラージモニターに対して多くのアドバンテージをもっています。特に100Hz以下の音の特性を正しく理解することにより製品選びや使い方を一層高度な領域で認識できるようになります。
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| サブウーハーからの超低域はあたかもメインスピーカーから発せられているように聴こえる。 |
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通常サブウーハーは2〜5本のメインスピーカーに対して1本のみシステムアップされます。人間の聴覚は150Hz以下の超低域に対しては方向感覚を認識できませんので、ミキシング上のステレオ定位やスピーカーの配置には関係なくメインスピーカーと同じ数を用意する必要がありません。低音楽器のみが再生された場合でもメインスピーカーから聴こえる楽器の倍音成分が音の方向情報を先に認識させ、人間の脳はセパレートに配置されたサブウーハーから超低域が放射されていることには気付かずに、あたかもメインスピーカーから全ての帯域が発せられているように聴こえるのです。この帯域を受け持つサブウーハーはどの場所においても問題ありませんのでまさにこの特徴をどのように生かすかがセッティング上の大きなポイントになります。
そのセッティングを生かすためのルームアコースティックのことについて解説します。
100Hz以下の音の特性はスピーカーからの直接音ではなく部屋のレスポンスに起因する定在波に完全に支配されています。どんなに優れた特性のスタジオでも2つの壁の間や天井と床との間などに起こる定在波は特定の周波数にピークを持たせ、または打ち消し合いを発生させ、正しい周波数レスポンスを不可能にしてしまいます。スピーカーを部屋のコーナーなどに置くと低音が不必要にブーストされたり置き場所によってピークディップの特定周波数は変化しますのでその部屋の癖に合わせた配置を考慮しなければなりませんが、通常はステレオ定位の為と周辺機器の置き方によってメインスピーカーの配置はある程度決定されてしまうものです。
サブウーハーによってこのデリケートな帯域をセパレートさせることによりメインスピーカーは定在波の影響が多い周波数を受け持つ必要がなくなります。そして、たった1本のベースボックスのマネージメントに集中することで「限定された配置による低域のみだれ」から解放されることが出来るのです。
メインスピーカーからの低域の分離はさらに優位な点があります。通常のフルレンジ小型スピーカーは低域を補うためにバスレフポートやパッシブラジエーター型のデザインを採用しボトムエンドまでのワイドレンジ化がされますが、それと同時に正確なトランジェントを妨げ正しくない低域をも再生してしまいます。ブルースカイの場合には完全な密閉型デザインを採用しています。無理な低域を出す必要がなくなり、結果、中〜高域までパフォーマンスの高い設計が出来るようになり、全体的な周波数レスポンスを大きく向上させられます。箱のサイズを小さくできることは当然ですが、メインスピーカーの受け持つ帯域が整理されることにより全帯域に渡る高解像度なサウンドを得ることに成功しています。
つぎに左右スピーカー間の音の干渉について考えてみたいと思います。
ラージモニターの場合には左右各々のスピーカーから同じように低域成分が発せられます。2箇所から発生した音の波が1箇所に到達するとそこから波が干渉し合い、位相ずれによるピークやディップが出来ます。特に低音の場合には波長が長いゆえ干渉が大きく、明確にピークスポット、ディップスポットが現われますが、2.1の場合には低域成分の発生するポイントが1箇所のみなので、このような到達距離の違いによる干渉が発生しません。
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| 低域成分が1箇所から発せられるので干渉による位相ずれが起らない。 |
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さらにラージスピーカーの場合には縦方向に大口径のユニットが並び、ニアーフィールドでの使用では低音〜高音の定位が分散されてよくありません。つまり、スピーカーまでの距離が近い場合には出来るだけコンパクトなユニットの配置が都合よく、メインスピーカーの箱サイズを小さくできる2.1システムは正しい定位とボトムエンドまでの真のフルレンジを両立できる唯一の手段でもあります。
ニアーフィールドでの使用では直接音がエンジニアまですぐに届き、部屋の影響も受けにくいので、セッティングのしやすさ、ユーザーフレンドリーな特徴も独自の利点であります。 |