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Integrating monitoring into the chain

 
(RESOLUTIONマガジン SWEETSPOTより)


この25年間におけるオーディオテクノロジーの進歩はあまりにも目覚しいものがあった。25年前にはレコードを聞いて映画はVHSをモノラルで見ていたものだ。それが今では一般のコンシュマーマーケットには目眩がするほどのチョイスに満ち溢れている。HDTV、デジタルケーブル、サテライトTV、DVD、MP3、ビデオゲーム・・・などなど。これのソースは広帯域のワイドダイナミックレンジなステレオまたは5.1サラウンドである。またスピーカーテクノロジーについてもサラウンドに欠かせないサブウーハーの概念が進歩した。更に今ではカーオーディオに至るまでCDやDVD、デジタルサテライト、HDラジオなどが装備される時代だ。カーオーディオにまで5.1バイアンプ駆動のスピーカーやサブウーハーが進出してきているほどだ。

もちろんスタジオ機材もこの何年かで進歩した。デジタルオーディオワークステーション、ハードディスクレコーダー、デジタルミキサー、24bitのADCやDACなどが発展してきた。しかし残念ながら多くのスタジオにおいてモニタースピーカーはまるで25年前とあまり代わり映えがしない。多くのプロフェッショナルは(目まぐるしく発展するコンシュマーオーディオの世界に対して)まるで伝統のように2Wayのバスレフモニタースピーカーを使い続けている。貧弱になりがちなローエンドの再生能力は(明らかに現代の技術に対して)何とかしなければならない課題ではないか?

次に私たちはもう一歩上へステップアップして何故一般的な2Wayのニアフィールドモニターが現在のコンシュマーに対してミックスを行う道具として既に古いものであるかを確実に検証していく必要があった。

ほとんどのニアフィールドモニタースピーカーはまずバスレフ方式を採用している。5、6または8インチのウーハーを使い38Hz〜65Hz付近の間でカットオフを行っている。バスレフのデザインが24dB/ octでロールオフされるようになり、これらのモニタースピーカーはローカットフリーケンシーから20Hzまでの再生能力を失ってしまった。でも一昔前まではこんな事もコンシュマーの再生環境における制限から見れば全くに許容範囲であった。しかしながら現在は一般家庭にサブウーハーが導入され、一般的な2Wayのバスレフスピーカーと組合せられている。フルレンジ再生環境が家庭で展開されているのだ。



また他の問題としてこれらのモニタースピーカーを一般のレコーディングスタジオで設置する場合について考えてみよう。メジャーな映画のファイナルミックスは大きなダビングステージで行われるだろう、そして一般に20,000立方フィートまたはそれ以上の大きさになるだろう。またそれより多くの素材は3,000立方フィートほどのスペースで作業されている。特に音楽やラジオ、テレビ放送などはこのケースが多いだろう。更に実際のスタジオのスペースというのは残念なことにもっと小さくなる、それに伴いアコースティックの状態も変化する。特に低域における変化は顕著で大きなスペースでは低域のリバーブレーションタイムに関りが現れます。もしあなたが小さなスタジオに移動したとしたらメインのアコースティックの定在波が要素になります。定在波は全ての部屋やスタジオの2つの壁の間で、そして天井とフロアの間で必ず存在してるのだ。

スモールスペースのいかなる場所にスピーカーを設置しても低域のレスポンスには定在波が影響してしまう。つまり常にある周波数はキャンセルされ、ある周波数は誇張されてしまっている。リスニングポジションでピークやディップが現れるのはこのせいであり、この周波数のバリエーションは部屋に対するスピーカーやリスナーの位置で変化します。特に複数台のスピーカーがある場合にはまるで一貫性がなくなってきます。加えてベストなイメージングのできるスピーカーの場所は必ずと言ってよいほど低域再生にはあまり良くない場所になってしまいます。普通レコーディングエンジニアは低域のレスポンスよりイメージングのしやすい場所をチョイスしていることが多いことでしょう。

こう見ますと吸音材がスタジオモニタリングの低域のパフォーマンス改善に効果的ではないかとも考えられますが、一般のスモールスタジオではそれも全てを解決するには至りません。

では何か良い解決方法があるでしょうか?あくまでも私たちのゴールは『本物のフルレンジモニタリング』です。それも巨額な資金を投入した壁埋め込みされたラージモニターシステムでもありません。つまりデスクトップからそれ以上の範囲(モニタリング距離)で本物のフルレンジ再生を目指したいということです。よく理解された物理的な方程式によって、シンプルな方法によって現実的に素晴らしい結果が得られるのです。

まず、本当にリアルな低域の再生能力を用意するには混変調歪を減らし、スタジオでの低域の再生に影響しないようにする必要があります。まず私たちはサブウーハーをモニタリングシステムの完全な一部としてシステム化することを決めました。これはオプションでサブウーハーを加えることもできるといった多くのシステムとは違い、よりサウンド開発に焦点をもたらしました。

また次にバスレフ構造、パッシブラジエーターなどの不安定要素は除外し完全密閉型のモニタースピーカーとしました。これには明確な3つの理由があります。1つは密閉型のスピーカーはバスレフタイプに比較して圧倒的に伝送のレスポンスが良いこと(高速なこと)。また正しく設計された密閉型のサテライトスピーカーは如何なるバスレフ型のスピーカーよりサブウーハーとの相性が抜群です、12dB /octのロールオフが密閉型のサブウーハーに用意され小さめの部屋の周波数キャラクターにマッチします。

ルームゲインの現象はAESがまとめたLouis D Fielder(Dolby Labs)のドキュメントに詳しい。それは一般的な小さめの音楽スタジオにおいて30Hz〜35Hz以下の12dB /octのゲインについてレポートしている。このタイプのロールオフはパーフェクトに私たちの開発した密閉型サブウーハーのレスポンスにマッチした。部屋の中での低域のエクステンションを20Hz以下まで延ばすことができる。これをバスレフやパッシブラジエーター仕様の急激なロールオフ(24dB /oct)のものと比較すればレコーディングスタジオにおいて密閉型のレスポンスが精巧なフルレンジモニタリングに適しているのかすぐに判るはずです。

次の進歩はベースマネージメントの技術です。ベースマネージメントはフィルターを使って2つまたはそれ以上のチャンネルのから低域の情報を抽出します。そしてその低域成分はサブウーハーへと送られます。同じテクニックはコンシューマーホームシアターでも使用され、ハイエンドなカーオーディオなどにも使用されています。

ベースマネージメントをサテライトスピーカーとサブウーハーでのシステムに利用することには幾つかのアドバンテージがあります。まずサテライトスピーカーは低域の再生を行う必要性がなくなりますので設計サイズを小さくできます。これは設置が簡単になるだけでなく、低域のパフォーマンスに関係なくイメージングを行いやすくなるという利点があります。また単体のサブウーハーから低域を再生するわけですから、(サテライトスピーカーの位置とは別に)1本のサブウーハーだけを最も低域再生に有利な場所に置くことが可能なのです。さらに複数チャンネルからの低域は電子的に混ぜられるので、スタジオのアコースティック空間においてチャンネル間の低域のフェイズが解決され最も完全な精巧なサウンドを電子的にも達成できるのです。

そして2.1システムの優れたモニタリングシステムとなるわけですがここで再度精密なシステムの設置について考えてみます。

多くのリスナーは実際にはセットアップは耳にたよる事が多いと思いますが、再現性という意味では信用できない場合もあるでしょう。私たちは無料でWAVファイルのテストファイルを用意してまず電気的なレベルでの素早いセッティングを推奨しています。これらのファイルはwww.abluesky.comでダウンロードできるようになっています。SPLメーターがあれば簡単にある程度のセットアップを行うことが可能です。

このキャリブレーションの目的はサブウーハーとサテライトの関連レベルを合わせることにあります。0dB VUがリスニングポジションでの実際のアコースティックレベルとなるようにするのです。今では大方のレコーディングメディアはデジタルとなりリファレンスとなるシグナルレベルは一般的に-20dBfs付近で20dBのヘッドルームとなっています。アコースティックキャリブレーションのレベルは(アプリケーションにもよりますが)一般のフィルムアプリケーションでは85dBc、しかし音楽では普通78または79dBcくらいとする事が多いようです。

一度キャリブレーションの手順が完了すればユーザーのシステムの周波数は拡大されて、シームレスな調和のとれたサブウーハーとサテライトの関係、全体的に精巧で再現性の高いレスポンスを得ることが簡単に出来ると思います。私たちは最もシンプルで証明されているテクノロジーを使って、全く新しい方法論を作り上げこのモニタリングシステムを開発できました。これは本物のフルレンジモニタリングシステムです。サウンドエンジニアは今日の進化した幅広いコンシュマーの再生環境に対して、常に正しい理解でフルレンジ環境でのミキシングを行うことが出来るようになるのです。

October.2006