Field Test MBHO MBP-604 Microphone
2005年4月 MIX マガジン レビューより
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

MBHOのマイクロホンはまだオーディオインダストリーとしては馴染みがないかもしれない。しかしMBHOは多くの有名マイクロホンのOEMメーカーとして1962年からマイクロホンの製作に携わってきた老舗です。ここ近年安価な海外製マイクロホンが数多く現れている中、MBHOはその製作工程の殆どをハンドメイドで行っている正真正銘のドイツ製マイクロホンです。
THE FACTS
MBHOのMBP-604はMBP-603(トランスレスプリアンプ)を更に発展させたモジュラーマイクロホンシステムで、KA-100LK(リニアーオムニ)、KA-300(ワイドカーディオイド)、KA-800(双指向性)、KA-1000(ラージダイヤフラム-カーディオイド)などバラエティーに富んだ全9種類のカプセルをチョイスして装着することができます。今回のレビューにはMBP-604にKA-200(スモールダイヤフラム・カーディオイド)のマイクロホンカプセルを装着してのテストになりました。
MBP-604はトランスフォーマーレスのアウトプットを持っており、約3インチのコンパクトボディーに仕上げられています。またこのコンデンサーマイクは24V-48Vのファントムパワーに対応しています。KA-200マイクカプセルとMBP-604マイクプリアンプボディーは共にソリッドなブラス製、マットブラックの高級感ある仕上げとなっています。マイクカプセルはスムースにマイクプリアンプボディーにネジ込むことができ、一度マイクカプセルがセットされるとまるでワンピースのマイクロホンのように見えます。
TOP PERFORMER
スタジオでのテストではMBP-604とKA-200の組み合わせは正に多用途に使えるエクセレントな音質を証明しました。最初まず私はジャズセッションでドラムのオーバーヘッドマイクにMBHOのコンデンサーマイクロホンを使用してみました。マイクは約6フィート(1.8m)の高さでキックドラムの真上にセットしました。2本のマイクの間隔は8インチ(20cm)、マイクロホンプリアンプには2台のFocusrite ISA110を使用しました。MBHOのマイクペアは全くドラムサウンドを誇張することなく、個々のドラムパーツを明確にクリアーに、そして全帯域を余すことなくデリバリーしてくれます。
この力強いステレオイメージングはKA200マイクカプセルの個々の能力の高さ、正確さによるものだと言うことは疑う余地がありません。MBHOコンデンサーマイクが表現するドラムサウンドは繊細なディテイルをキャプチャーし、ブラシの微妙なサウンドやコーテッド・スネアヘッドの質感などを素晴らしいセンスで、まるで【その場に居るかのような】存在感で描き出します。
また違うセッションで私は個々のドラムパーツにクローズマイクでレコーディングをしました。スネア(トップやボトム)、ハイハットやフロアタムなどにです。このMBHO MBP-604マイクロホンのコンパクトボディーは狭いスペースにも簡単にマイキングが可能です。スネアのトップマイクに使用したMBP-604はクリーンで澄み渡り、扱いやすい音質になります。もしダイナミックマイクをスネアに使用していていつもChunkな感じに納得いかない方にはMBHOのコンデンサーマイクはベストチョイスです。
スネアのボトムに使用した印象はそのナチュラルさに美徳すら感じます。ハイハットへのクローズマイキングではこの価格帯にあるマイクロホンには良くある、高域がバラバラになってしまうような印象が全くなく、大変素晴らしい明確なサウンドが得られました。また気がついた点としてKA-200のカーディオイドパターンは私がいつも使用しているマイクに比べ少しだけワイドな指向性を持っているようでした。
GUITAR AND VOCALS
アコースティックギターのオーバーダブにMBHO MBP-604コンデンサーマイクロホンとKA-200マイクカプセルを ステレオマイキングしました。結果は見事にゴージャスな結果となりました。ステレオマイキングされたMBHOマイクからはキラキラしたアタック感や、タイトなローミッド、そしてソリッドなルームサウンドのイメージを明確に表現します。次にマイクをシングルにして数インチ、アコースティックギターのネック/ボディーのジョイント部にマイキングしてみました。弦にピッキングされるニュアンスが清清しく再現されます。また違うアプリケーションではかなりソフトタッチのプレイでしたが、マイクのセルフノイズは全く聴こえませんでした。また12x2のギターアンプにマイキングしてみると決して嫌味のないブライトでクリアーなサウンドになります。MBP-604のSPL能力にも感心すべきところがあります。
また最も驚くべきサウンドとなったのがMBP-604コンデンサーマイクを男性ボーカルマイクに使用した時でした。(KA-200がスモールダイヤフラムであるにも関わらず)そのマイクサウンドはよりラージダイヤフラムのようなサウンドになるのです。極少の近接効果がボーカリストの喉下を強調し、その中で息やエアー感が調和しています。MBHOコンデンサーマイクによるボーカルは簡単にミックスの中で引き立っています。更にいやなシビランスを全く感じずにです!もちろん正面で歌うほうがよりローミッドが豊かになりますが、プラス・マイナス45度程度のアングルに対しては音色変化が殆ど無く安定しています。
WINNING RESULTS
MBHOのコンデンサーマイクMBP-604に今回はKA-200マイクカプセルを組み合わせたテストを行った結果、MBHOのマイクは大変優秀なマイクロホンのリストにすぐ加えられるべきマイクロホンであると実感しました。たいへんクリーンな再現性、素晴らしいS/Nの良さ(クワイエットオペレーション)、そして様々なアプリケーションに対する完璧なフレキシビリティー!どんなスタジオにおいても万能でどんなアプリにも使えるオールラウンドなマイクロホンをマイクロッカーに加えたいと思っているでしょう。MBHOのMBP-604と9種類のマイクカプセルを組み合わせは、そんなスタジオにおいて必ずオーディションすべき重要なマイクロホンだといえます。